【産休取得も安心】派遣薬剤師のための制度・給付金ガイド

この記事では、派遣として働く薬剤師の皆様へ向けて、産休や育休の取得方法、制度や条件、給付金の詳細について解説します。子育てと仕事の両立を目指す方の参考として、ぜひ最後までお読みください。

  1. 派遣薬剤師の産休・育休制度の詳細
  2. 産休・育休中の給付金と社会保険料の免除
  3. 産休・育休後の復帰と働き方の選択肢
  4. 派遣薬剤師としての働き方のメリット・デメリット
  5. 派遣薬剤師の産休・育休制度と働き方のまとめ

派遣社員の産休・育休について、取得条件や復職までの流れを下記記事にて詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。

派遣薬剤師の産休・育休制度の詳細

派遣薬剤師として働く際の産休・育休制度について、以下の順に詳しく解説します。

  • 産休・育休制度の基本的な条件と手続き
  • 産休・育休期間の設定と給付金の詳細

産休・育休制度の基本的な条件と手続き

派遣薬剤師でも、正社員と同様に産休・育休を取得することが可能です。これは、労働基準法に基づくもので、派遣先の企業規定や派遣会社の規定により詳細は異なる場合がありますが、基本的には出産予定日の6週間(多胎妊娠の場合は14週間)前から産休を取得できます。また、出産後8週間は必ず休むことが義務付けられています。手続きは、まず派遣会社に妊娠の報告をし、産休・育休の意向を伝えることから始まります。その後、派遣会社と派遣先企業との間で調整が行われ、産休・育休の取得が決定します。

参考:産休と育休(まとめ)|東京労働局

産休・育休期間の設定と給付金の詳細

産休期間は、出産予定日の6週間前から始まり、出産後8週間までと定められています。育休は、出産後の子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に取得できます。給付金については、健康保険組合から出産手当金が支給されます。これは、標準報酬月額を平均した額の2/3が支給される制度で、産休期間中の生活を支えるためのものです。また、育休中は育児休業給付金が支給され、これは休業開始時賃金日額と支給日数の67%(休業開始から181日目以降は50%)が支給されます。これらの給付金を受け取るためには、必要な書類を派遣会社を経由して、健康保険組合やハローワークなどに提出することが必要です。それぞれの給付金の計算方法は次の項に記載します。ご自身の給与を元に、いくらくらい支給されるのか計算できるツールもありますので、活用してみてください。

参考:働く女性の健康応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート|厚生労働省委託 働く女性の心とからだの応援サイト

産休・育休中の給付金と社会保険料の免除

ここでは、産休・育休中の薬剤師が受けられる給付金と社会保険料の免除について、以下の順に説明します。

  • 出産育児一時金
  • 出産手当金
  • 育児休業給付金
  • 社会保険料の免除

出産育児一時金

出産育児一時金は、全ての保険加入者が出産の際に受け取ることができます。これは、出産に伴う経済的負担を軽減するための制度です。具体的には、子ども1人につき50万円が支給されます。なお、産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合や、産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週未満で出産した場合には、子ども1人につき48.8万円になります。医療機関等の条件により支給額が変わりますので、出産を予定している医療機関に直接確認することをおすすめします。

参考:出産に関する給付|全国健康保険協会

出産手当金

出産手当金は、産前産後の休業期間中に支給される給付金です。これは、産休を取得しても生活に困らないようにするための制度です。具体的には、産前6週間(早産の恐れがある場合や多胎の場合は14週間)から産後8週間までの期間、標準報酬月額の2/3が支給されます。具体的には下記のように算出されます。

■出産手当金

1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)

(支給開始日とは、一番最初に出産手当金が支給された日のことです)

出産に関する給付|全国健康保険協会

育児休業給付金

育児休業給付金は、育児休業を取得した際に支給される給付金です。これは、子育てと仕事の両立を支援するための制度です。具体的には、子が1歳になるまで(最長で2歳まで延長可能)の期間、給与の50%~67%が支給されます。具体的には下記のように算出されます。

■育児休業給付金

支 給 額=休業開始時賃金日額※1×支給日数※2×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)

育児休業給付の内容と支給申請手続|厚生労働省

社会保険料の免除

産休・育休中は、社会保険料が免除されます。これは、休業中の経済的負担を軽減するための制度です。具体的には、健康保険と厚生年金の保険料が免除され、給付金受給期間中は被保険者としての地位も保たれます。

■産前産後休業期間中の保険料免除

(1)産前産後休業期間※中の健康保険・厚生年金保険の保険料は、被保険者・事業主両方の負担が免除されます。

※出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日までの間で、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間

従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が産前産後休業を取得したときの手続き|日本年金機構

■育児休業期間中の保険料免除

(1)育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等(育児休業および育児休業に準ずる休業)期間について、被保険者は、事業主へ申し出を行い、事業主が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出します。

(2)申し出により、健康保険・厚生年金保険の保険料は被保険者・事業主両方の負担が免除されます。

従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き|日本年金機構

産休・育休後の復帰と働き方の選択肢

ここでは、産休・育休後の復帰と働き方の選択肢について、以下の順に説明します。

  • 復帰のタイミングと方法
  • 復帰後の働き方の選択肢

復帰のタイミングと方法

産休・育休後の復帰は、自身のライフスタイルや子育ての状況に合わせて自由に決めることが可能です。これは、派遣薬剤師としての働き方が柔軟であるためです。例えば、子どもの保育園が決まったタイミングで復帰する、または子どもが一定の年齢になったら復帰するなど、自分のペースで計画を立てることができます。

復帰後の働き方の選択肢

復帰後の働き方も、派遣薬剤師ならではのメリットを活かして、自分に合った形を選ぶことが可能です。例えば、フルタイムで働くのではなく、短時間勤務を選ぶこともできます。また、子育てと両立しやすいように、自宅から近い職場を選ぶ、または在宅勤務を選ぶといった選択肢もあります。

派遣薬剤師の産休・育休制度と働き方のまとめ

派遣薬剤師として働く場合でも、正社員と同様に産休・育休を取得することが可能です。これは、労働基準法に基づく制度であり、派遣社員も対象となっているからです。具体的には、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から産休を取得でき、出産後8週間を経過した日まで産休が続きます。また、子が1歳になる日まで育休を取得することも可能です。

派遣薬剤師として働くメリットとしては、勤務地や勤務時間、働く期間を自由に選べる柔軟性が挙げられます。これにより、子育てと仕事の両立がしやすくなります。例えば、子どもの保育園の送り迎えに合わせた勤務時間を選んだり、子どもの成長に合わせて働く期間を調整したりすることが可能です。産休・育休後も派遣会社がしっかりとサポートしてくれるため、安心して働くことができます。