【派遣社員必見】産休取得と契約終了が重なる時の対処法と復帰可能性

本記事では、派遣社員として働く中で妊娠した場合の、産休を取得するための手続きや条件、産休中の収入や手当について解説します。また、産休期間と契約終了日が重なる場合の対処法や、産休後の職場復帰の可能性についても触れています。不安な点を解消し、安心して産休を迎えられるよう、ぜひ最後までお読みください。

  1. 派遣社員の産休取得の基礎知識
  2. 産休中の収入と手当について
  3. 産休期間と契約終了日が重なる場合の対処法
  4. 産休取得後の職場復帰の可能性
  5. 派遣社員が安心して産休を取得するためのコツ

派遣社員の産休・育休について、取得条件や復職までの流れを下記記事にて詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。

派遣社員の産休取得の基礎知識

ここでは、派遣社員が産休を取得するための基本的な知識について、以下の順に説明します。

・産休取得の基本条件

・産休取得の手続きの流れ

産休取得の基本条件

派遣社員でも正社員と同様に、産休(産前産後休暇)を取得することが可能です。これは、労働基準法に基づくもので、出産予定日の6週間前(多胎の場合は14週間前)から出産後8週間後までが産休期間と定められています。

例えば、出産予定日が10月1日の場合、8月21日からが産前休暇期間です。産後休暇は、出産日の翌日から8週間取得できます。例えば、10月1日に出産した場合は10月2日からが産後休暇となります。

参考:産休・育休開始日早見表|厚生労働省

産休取得の手続きの流れ

産休を取得するためには、まず派遣先や派遣元に妊娠の報告をし、産休を取得したい旨を伝えます。次に、産休取得の申請を行うための書類を派遣会社に提出します。これには、医師からの診断書や出産予定日を記載した書類などが必要となります。必要書類については派遣会社に確認が必要です。

産休中の収入と手当について

産休中の収入や手当については、以下の順に説明します。

  • 産休中の収入の計算方法
  • 産休手当の支給条件と申請方法

産休中の収入の計算方法

派遣社員の場合、産休中の給料は発生しません。しかし、健康保険組合から出産手当金が支給されます。これは、労働者が産休を取得しても生活に困らないように、国が定めた労働基準法に基づく制度です。

出産手当金は出産予定日の42日前(産前6週前)から出産翌日後56日目(産後8週間)までの期間で、仕事を休んだ期間を対象に支給されます。多胎妊娠の場合は、14週間前から産前休暇となるので、98日前となります。

被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。

出産で会社を休んだとき|全国健康保険協会

出産手当金の支給額は、支給開始前の12ヶ月間の標準報酬月額を元に算出されます。

1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)

(支給開始日とは、一番最初に出産手当金が支給された日のことです)

出産に関する給付|全国健康保険協会

産休手当の支給条件と申請方法

産休手当を受けるためには、健康保険に加入していることと、産前6週間(早産の恐れがある場合は14週間)から産後8週間までの期間に休業することが条件となります。派遣会社に申請をすると必要手続きについて案内がありますので、それにそって進めましょう。

派遣会社側では、健康保険組合に休業手当の申請を行い必要書類を提出します。具体的な書類については派遣会社から指示がありますので、指示に従って提出します。

産休期間と契約終了日が重なる場合の対処法

産休期間と契約終了日が重なる場合の対処法について、以下の順に説明します。

  • 契約終了日が近い場合の産休取得の注意点
  • 契約更新の可能性とその条件
  • 契約終了後の手続きと救済措置

契約終了日が近い場合の産休取得の注意点

産休を取得する際、契約終了日が近い場合は、産休開始日を契約終了日以前に設定することが重要です。なぜなら、契約終了日以降に産休を取得しようとすると、労働契約が存在しないため産休の権利が発生しないことがあるためです。例えば、契約終了日が3月31日で、産休を4月1日から取得しようとすると、産休の権利が発生しない可能性があります。自身の産休開始日がいつ頃になるのか計算するツールもありますので、活用してみてください。

参考:働く女性の健康応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート|厚生労働省委託 働く女性の心とからだの応援サイト

契約更新の可能性とその条件

契約終了日が近い場合でも、契約期間の調整や契約更新が可能な場合があります。その可能性は、業務内容や職場の状況、個々の実績や評価によるところが大きいです。例えば、妊娠前から高い業績を上げていたり、職場で必要とされているスキルを持っている場合、契約更新の可能性は高まります。派遣会社や派遣先企業に相談することも必要です。

契約終了後の手続きと救済措置

契約終了後も、産休手当や育休手当の受給は可能です。これは、雇用保険に加入していれば、契約終了後も一定期間(通常は2年間)は保険の適用が続くためです。例えば、契約終了後に出産した場合でも、出産前に雇用保険に加入していれば、産休手当や育休手当を受け取ることができます。

産休取得後の職場復帰の可能性

派遣社員として産休を取得した後の職場復帰は、契約内容や派遣先の事情によりますが、一定の可能性はあります。これは、派遣労働者の保護を目的とした法律により、産休中の契約終了は原則として認められていないからです。

ただし、契約期間が終了する場合や派遣先の業務が終了する場合など、特別な事情がある場合はこの限りではありません。たとえ同じ派遣先に復帰ができなかったとしても、別の派遣先にエントリーは可能ですので、自身の状況を踏まえて希望の企業に積極的にエントリーしましょう。

派遣社員が安心して産休を取得するためのコツ

産休を取得するためには、早めの申請と周囲への説明が重要です。これは、産休取得には一定の手続きが必要であり、また職場の理解を得ることでスムーズに産休を取得できるからです。妊娠がわかったらすぐに派遣元や派遣先に報告し、産休取得の意向を伝えることが有効です。

まとめ

産休を取得するためには、派遣先や派遣元に妊娠を報告し、産休を希望する旨を伝えることが必要です。また、産休取得の申請は、出産予定日の6週間前(早産の可能性がある場合は14週間前)までに行うことが求められます。具体的には、医師からの診断書を提出し、産休開始日と終了日を決定します。

派遣社員の場合、産休中は給与は支給されませんが、健康保険の出産手当金の制度は利用可能です。産休後の職場復帰は、契約内容や派遣先の事情によりますが、法的には1年間の育児休業を経ても元の職場に復帰する権利が保証されています。ただし、派遣契約の特性上、同じ職場に戻ることは難しい場合もあります。復帰希望の意向を早めに伝え、具体的な復帰計画を立てることが大切です。 契約が終了して同じ派遣先に復帰できない場合でも、別の派遣先にエントリーすることができますので、自身の希望条件に合う派遣先を見つけることができます。