育児や介護などライフスタイルの変化を機に、正社員からパートへの転職を考えることはありませんか?正社員からパートに働き方を変えるにあたっては、メリット・デメリットや注意点がいくつかあります。
そこで本記事では転職前に知っておくべきポイントをまとめました。「転職してから後悔したくない」とお考えであれば、ぜひ参考にしてください。
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ライフスタイルの変化を理由にパートへ切り替える人はいる
ライフスタイルが変化したことで、働き方を「正社員」から「パート」へ切り替える人は少なくありません。
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況によると、パートタイムで働く人が現在の雇用形態を選んだ主な理由として、以下が挙げられています。
- 自分の都合の良い時間(日)に働きたいから
- 勤務時間・日数が短いから
さらに「育児・介護などの家庭の事情で、正社員として働けないから」といった理由で、パートの仕事を選んだ女性もいました。
正社員の場合、会社の規定で出勤日や勤務時間が決まっているので、プライベートを優先したくても難しいケースがあります。一方で、パートは働く時間や曜日を選べるので、正社員よりは仕事とプライベートを両立しやすいです。
なお、働き方を変える方法のひとつには、現在、正社員として働いている会社でパートへの転換を希望する選択があります。「新たな人材の確保が難しい」「優秀な社員を手放したくない」などの理由で、正社員からパートへの転換を認めている会社があるからです。
ただし、受け入れの可否は会社の状況によるので、難しい場合は転職を考える必要があります。
正社員からパートに転職する4つのメリット
正社員からパートに転職することで、以下の4つのメリットを得られます。
- プライベートの時間が増える
- 勤務時間を柔軟に調整できる
- 仕事のストレスを軽減できる
- 被扶養者になれる可能性がある
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
メリット1. プライベートの時間が増える
正社員の「フルタイム勤務」では、労働基準法第三十二条に則って1日8時間働くのが一般的で、勤務時間は会社の規定で決めています。
これに対してパートは、1日の労働時間を「労働者」がある程度自由に決めることが可能です。さらに、正社員と比較すると、パートは残業が少ない傾向があります。
以上のことから、正社員からパートになると、労働時間が減らしプライベートの時間が増やせるという利点があります。
メリット2. 勤務時間を柔軟に調整できる
パートになると、労働時間が減るだけではなく、「勤務する時間帯」や「出勤する曜日」も希望に合わせて調整しやすいです。
例えば、子育てを理由にパートになった場合、保育園の送り迎えができる勤務時間で働くことが可能です。さらに、平日に休みが欲しい場合でも、有給を使うことなく出勤日を調整して対応できるケースがあります。
このように、プライベートに合わせて勤務時間を柔軟に調整できる点も、パートとして働くメリットです。
メリット3. 仕事のストレスを軽減できる
仕事のストレスを軽減できる点も、パートとして働く利点として挙げられます。
正社員として働き、管理職に抜擢された場合、マネジメント業務は向き不向きがあるので、人によっては心理的な負担を感じかねません。一方で、パートの場合は、任される仕事の範囲が正社員より限定的なケースが多いです。
以上のことから、正社員としての責任ある業務が負担と感じる人にとっては、ストレスを感じにくい環境で働けるようになります。
メリット4. 被扶養者になれる可能性がある
パートで働く場合は、税金や社会保険の負担が軽減される「扶養」に入れる可能性があります。
税金であれば、「扶養控除」が該当します。これは、納税者に所得税法上の控除対象となる扶養親族がいる場合に、一定額の所得控除が受けられるという制度です。
つまり、夫(納税者)が妻や子どもを養っている場合、夫の所得税や住民税が減額されます。
この扶養控除を受けるには条件が複数あり、その1つが扶養を受ける家族の年間の「合計所得金額」です。正社員からパートに転職して収入が下がっても、扶養控除の所得要件を満たせば、所得税や住民税が減り家族の手取りが増える可能性があります。
また社会保険であれば、所得金額によっては「国民年金保険料」や「健康保険料」の負担が減ります。
ほかにも、パートになることで対象となる控除はありますが、制度が複雑なうえ、不定期に変更される可能性があるため、最新の情報をチェックするようにしてください。
参考:No.1180 扶養控除|国税庁
参考:家族と税|国税庁
参考:被扶養者とは?|全国健康保険協会
正社員からパートに転職する2つのデメリット
正社員からパートに転職するメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。
- 収入が減る可能性がある
- キャリアアップの機会が限られることがある
ここでは、それぞれ詳しく見ていきます。
デメリット1. 収入が減る可能性がある
正社員からパートになると収入が減る可能性がある点は、デメリットの1つです。
パートに転職して労働時間が減れば、その分だけ収入も減ります。さらに、各種手当やボーナスの規定が雇用形態で異なるケースがあるため、時給が高くても手取りが減少する場合があります。
また、同じ会社に所属しながら、正社員からパートに転換する場合でも収入が減る可能性も否めません。「管理職から実務担当に移る」などのように、ポジションや仕事内容が変わったことで「管理職手当」などがなくなる場合があるためです。
手取りの減少に関しては以下の記事でも解説していますので、こちらもご覧ください。
デメリット2. キャリアアップの機会が限られることがある
パートになるとスキルを磨くチャンスが減り、結果的にキャリアアップする機会が限られることも、デメリットとして挙げられます。
正社員は、長期的に会社と雇用関係を持つことが前提のため、社内外の研修を受ける機会が設けられる傾向があります。一方で、パートは正社員に比べると短期の雇用契約で限られた業務を担うことから、研修を受ける回数が限られるのが一般的です。
また、一度パートになったことで自信をなくし、自らキャリアアップをあきらめる可能性もゼロではありません。再び正社員を目指しても、思うように転職活動が進まないと「パート期間があると採用されにくいのでは?」と不安になるからです。
ただ近年は、人材不足に悩む会社が多いため、経緯や事情を丁寧に説明し自分磨きをしていれば、再び正社員として採用される可能性があるといえます。
なお、キャリアの磨き方については下記の記事でお伝えしているので、気になる方はチェックしてみてください。
正社員からパートに転職する前に確認すべき4つのポイント
正社員からパートに転職する際には、以下の4点を確認しておくことが大切です。
- 社会保険へ加入できるか?
- 雇用保険に加入できるか?
- 保育園への入所要件を満たせるか?
- 転換の際に退職金を受け取れるか?
それぞれのチェックポイントについて、詳しく見ていきましょう。
ポイント1. 社会保険へ加入できるか?
ますは、社会保険に加入できるか確認しましょう。社会保険とは、病気・怪我・出産などの際に手当金を受け取れたり、年金の受給額が増えたりする制度です。
正社員の場合、例外がない限りほとんどが社会保険へ加入します。一方でパートの場合は、雇用契約などによって加入要件を満たせないことがあるので、注意が必要です。
2024年11月現在では、従業員数が51人以上の会社の場合、下記の4つの条件を満たしていると、パートであっても社会保険に加入する義務が生じます。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8.8万円以上
- 2ヵ月を超える期間、雇用される見込みがある
- 学生ではない
社会保険の保険料は、見込みで月収換算した平均額(標準報酬月額)をもとに算出され、毎月の給料から天引きされます。このため、毎月の手取りが減ってしまうことがデメリットです。
以上を踏まえ、「社会保険に加入するメリット」と「天引きされる保険料」を考慮しながら、パートとして得る収入額を調整することをおすすめします。
なお、社会保険への加入義務の条件については、不定期に変更される可能性があるため、最新の情報を確認するようにしてください。
ポイント2. 雇用保険に加入できるか?
雇用保険とは、失業した際に給付金などを受けられる制度で、加入の条件は以下のとおりです。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上、雇用される見込みがあること
この条件から、基本的に正社員は雇用保険に入ることが可能です。パートに転職した場合でも、上記の条件を満たしていれば雇用保険に加入できます。
ただし、パートになることで加入要件を満たせなければ、雇用保険から外れる可能性があります。正社員時代に加入していれば、失業給付(失業保険)を受給できる場合があるので、管轄のハローワークなどに確認してみてください。
ハローワークでの失業保険に関する手続きについては下記の記事でお伝えしていますので、併せて参考にしてください。
ポイント3. 保育園への入所要件を満たせるか?
一般的に自治体は、子どもの家庭の状況から保育園に入園できる優先順位を決めています。決め方は自治体によって異なりますが、基本的には両親の労働時間が長いほど、優先順位が高いのが一般的です。
このため、パートになって労働時間が短くなると、「入園できない」「退園を求められる」という懸念があるためご注意ください。入園や退園の可能性については、自治体や保育園に相談することをおすすめします。
ポイント4. 転換の際に退職金を受け取れるか?
同じ会社にいながら正社員からパートに切り替える際は、雇用契約を結び直すことになります。会社によっては一度「退職」扱いになるケースがあり、転換のタイミングで退職金が支払われることがあります。
ただし、退職金の制度は会社ごとに異なるので、事前に人事部などに確認しておきましょう。
正社員orパート?自分に合った働き方を選ぶ3つのコツ
ここでは、自分に合った働き方を選ぶコツとして、以下の3つを紹介します。
- 希望するライフスタイルを明確にする
- 生活に必要な収入を把握する
- 将来の目標を考えてみる
働き方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
コツ1. 希望するライフスタイルを明確にする
まず1つ目のコツは、「希望するライフスタイルを明確にする」ことです。ここでは漠然と「家族を優先したい」などと考えるのではなく、以下のように具体的に考えてみましょう。
- 1日何時間働きたいか?
- 残業は可能か?どの程度ならできそうか?
- 何曜日に休みたいか?
- 趣味や1人で過ごす時間はどれくらい欲しいか?
こうして自身の希望のライフスタイルを具体化にすると、「理想の働き方」が見えてきます。例えば、「子育て」を優先させたい場合には、「保育園の送り迎えの時間」を軸に考えるのも一手です。
「パートとして、送り迎えに間に合う時間帯で働く」「正社員で働きながらも、送り迎えをパートナーと分担して勤務時間を調整する」など、複数の選択肢から考えてみてください。
コツ2. 生活に必要な収入を把握する
厳しいようですが、十分な収入を確保できないと、日々の生活が苦しくなるのが現実です。そこで、以下のような項目別に具体的な金額を把握し、必要な収入を算出することをおすすめします。
- 毎月の固定費(家賃、光熱費、通信費など)
- 食費や日用品などの変動費
- 教育費や交際費
- 習い事や趣味などの費用
- 貯金額
- 社会保険料などの負担額
一般的には、正社員になると月給制で収入が安定し賞与も期待できるので、生活の見通しが立てやすいです。ただし、パートとして働く場合でも、パートナーや家族などとの給与と合わせて必要な収入を確保できれば、安心して暮らせます。
そのため、自分の状況に合わせて必要な生活費を把握しておきましょう。
コツ3. 将来の目標を考えてみる
自分に合った働き方を考えるうえでは、下記のような質問から、5年後・10年後の自分を可能な範囲でイメージしてみることも大切です。
- キャリアアップしたいか?
- 専門的なスキルを身に付けたいか?
- 転職や独立の可能性はあるか?
- 出産などの自身や家族のライフイベントの予定はあるか?
正社員は昇進や昇給のチャンスがあり、長期的なキャリア形成に有利です。
パートでも専門職として経験を積めば、キャリアアップの道は開かれます。ただ、「退職した会社に正社員として戻りたい」と考えてもハードルが高いのが実際のところです。
目の前の生活はもちろん大切ですが、人生は長いので「将来」も見据えて検討することをおすすめします。
パートではなく派遣社員として働く選択肢もある
ライフスタイルが変わったタイミングで、働き方を一時的に調整したいのであれば、パートとして働く以外にも、「派遣社員」として働くという選択肢があります。
派遣社員として働くメリットは、以下のとおりです。
- フルタイムだけではなく、短時間勤務の仕事もある
- 短時間勤務でも今までのスキルを活かせる
- 高時給の仕事にチャレンジできる可能性がある
- 契約期間ごとに新しい仕事を選べるので、自分に合う職場を探せる
- 社会保険など福利厚生を受けられる場合がある
- 自身の状況が変われば、勤務時間を増やしたり、正社員を目指したりすることもできる
希望する時間で働きやすい派遣であれば、ライフスタイルに合わせて仕事を紹介してもらえます。さらに、限られた出勤日であっても希望する職種でスキルを積むことも可能です。
なお、わくスタでは実際に子育てや介護をしながら派遣社員として活躍しているスタッフの体験談も紹介しています。正社員に登用したスタッフもいるので、以下からぜひチェックしてみてください。
まとめ:正社員からパートに転職して自分に合った働き方をしよう
本記事では、正社員からパートに転職するメリット・デメリットや注意点などをお伝えしました。
パートになると、労働時間が減って柔軟な働き方ができる一方、収入が減少するケースがあります。このため、ご自身の状況に合わせて、最適な働き方を選んでみてください。
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