【派遣社員必見】無期転換後の時給・待遇の変化

派遣社員から無期雇用への転換を考えているあなたへ。この記事では、無期雇用転換時の時給や待遇、転換のメリット・デメリット、具体的な転換方法について詳しく解説します。あなたの働き方選択の一助となる情報を提供するため、ぜひ最後までお読みください。

  1. 派遣から無期雇用への転換とは
  2. 無期雇用転換のメリットとデメリット
  3. 無期雇用転換後の時給について
  4. 無期雇用転換を検討する際のポイント
  5. 無期雇用転換の注意点と勘違い
  6. 無期雇用転換と正社員への転職の比較

派遣から無期雇用への転換とは

派遣社員から無期雇用への転換とは、一定の条件を満たした派遣社員が、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)へ転換される形態を指します。以下の順に詳しく説明します。

  • 無期雇用転換の定義とは
  • 無期雇用転換の法律的背景
  • 無期雇用転換の流れ

無期雇用転換の定義とは

無期雇用転換とは、同一の雇用者と5年以上有期契約を続けた労働者が無期雇用となることを指します。具体的には、派遣社員との有期労働契約が5年を超えて更新された場合、その派遣社員と使用者(企業)の間で無期雇用転換が成立します。こちらは「5年ルール」として、派遣社員以外にもアルバイトや契約社員も対象になります。

参考:無期転換ルールについて|厚生労働省 

無期雇用転換の法律的背景

無期雇用転換の法律的背景には、労働契約法の改正があります。2013年に改正労働契約法が施行され、無期転換ルールが規定されました。

派遣社員が一定の期間、同一の使用者(企業)に従事した場合に、派遣会社が期間の定めのない労働契約(無期労働契約)への転換を受け入れることが義務付けられました。これにより、派遣社員の雇用の安定化が図られています。

また、「5年ルール」は派遣社員に限らずアルバイト、契約社員も対象となる制度ですが、派遣社員として働く場合、派遣法により「3年ルール」も定められています。「3年ルール」では、同一の事業所で3年以上働くことは原則として禁止されています。

同じ事業所で3年を超えて働くことは、基本的にできません。一定の手続を経れば、
3年を超えて働くことはできますが、異なる「課」などへ異動することが必要です。

引用:派遣で働く皆様へ|厚生労働省

無期雇用転換の流れ

無期雇用転換の流れは、まず派遣社員が5年以上同一の使用者(企業)に従事したことを確認し、その後派遣会社に無期雇用転換の申し出を行います。

具体的な例としては、派遣社員Aさんが5年以上同じ派遣会社に従事していたとしましょう。Aさんは派遣会社に無期雇用転換の申し出を行い、承認された場合、Aさんは派遣会社との間で期間の定めのない労働契約(無期労働契約)を結ぶこととなります。

なお、無期雇用派遣の詳細については、下記記事にて解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。

無期雇用転換のメリットとデメリット

無期雇用への転換は、派遣社員がより安定した雇用形態を求める際に考える選択肢の一つです。しかし、そのメリットとデメリットを理解した上で、自身のキャリアパスに合った選択をすることが重要です。以下では、無期雇用転換のメリットとデメリットについて詳しく説明します。

無期雇用転換のメリット

無期雇用転換には、雇用安定性の向上やキャリアパスの拡大といったメリットがあります。以下、具体的に説明します。

雇用安定性の向上

無期雇用転換は、雇用の安定性を高める大きなメリットがあります。派遣社員は契約期間が定められており、契約更新の不安を抱えることがあります。しかし、無期雇用に転換することで、契約更新の不安から解放され、雇用の安定性が向上します。これにより、長期的な生活設計やキャリアプランを立てやすくなるでしょう。

キャリアパスの拡大

また、無期雇用転換はキャリアパスの拡大にもつながります。一部の企業では、無期雇用の社員に対して、派遣社員よりも多くの教育機会や昇進の機会を提供しています。これにより、スキルアップやキャリアアップを目指す方にとっては、無期雇用転換は大きなメリットとなるでしょう。

無期雇用転換のデメリット

一方で、無期雇用転換には転職の自由度の制限といったデメリットも存在します。派遣社員は契約期間が終了すれば自由に転職活動ができますが、無期雇用社員は退職をする際に一定の手続きが必要となります。これにより、転職の自由度が制限される可能性があるため、無期雇用転換を考える際には、この点も考慮する必要があります。

無期雇用派遣のメリット・デメリットについて、下記記事にて詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。

無期雇用転換後の時給について

無期雇用転換後の時給については、以下の観点から詳しく解説します。

  • 無期雇用転換後の時給の計算方法
  • 無期雇用転換後の平均的な時給
  • 時給に影響を与える要素

無期雇用転換後の時給の計算方法

無期雇用転換後の時給は、派遣会社が定める基本給や各種手当を基に計算されます。具体的には、基本給に加えて、役職手当や資格手当などの各種手当が加算され、それが月給となります。そして、その月給を所定労働時間数で割ることで時給が算出されます。ただし、派遣会社の規定により異なる場合もあります。

無期雇用転換後の平均的な時給

無期雇用転換後の平均的な時給は、業界や職種、地域などにより大きく異なります。全国平均としては、派遣社員から無期雇用へ転換した場合、時給は上がる傾向にあります。これは、無期雇用という安定した雇用形態が評価され、給与に反映されるためです。

時給に影響を与える要素

時給に影響を与える要素は多岐にわたります。まず、業界や職種によって時給は大きく変動します。例えば、IT業界や金融業界では高時給が支払われる傾向にあります。また、地域によっても時給は変わります。一般的に、都市部では地方に比べて時給が高い傾向にあります。さらに、経験やスキル、資格なども時給に影響を与えます。これらの要素を考慮に入れ、自身のスキルや経験を活かした無期雇用への転換を考えると良いでしょう。

無期雇用転換を検討する際のポイント

無期雇用転換を検討する際には、自身のキャリア観を考えること、雇用形態の選択を考えること、そして転換先の企業選びを考えることが重要です。以下、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

自身のキャリア観を考える

無期雇用転換を考える際には、まず自身のキャリア観を明確にすることが大切です。これは、自身の長期的なキャリアビジョンや働き方に対する価値観が、雇用形態の選択に大きく影響を与えるからです。例えば、安定性を重視するなら無期雇用が適しているでしょう。一方、多様な経験を積みたいと考えているなら、派遣社員としてさまざまな職場を経験することも有益です。自身のキャリア観を理解することで、無期雇用転換が自身のキャリアにとって最適な選択であるかを判断することができます。

雇用形態の選択を考える

次に、雇用形態の選択を考えることも重要です。これは、雇用形態によって待遇や働き方が大きく変わるためです。例えば、無期雇用では雇用の安定性がありますが、一方で転職の自由度は低くなります。また、時給制の派遣社員と比べて、無期雇用では基本給や賞与などの待遇が改善される可能性があります。しかし、派遣社員の場合、仕事の内容や勤務地を自由に選べるメリットもあります。これらの違いを理解し、自身のライフスタイルやキャリアプランに合った雇用形態を選ぶことが求められます。

転換先の企業選びを考える

最後に、無期雇用転換を検討する際には、転換先の企業選びも重要なポイントとなります。これは、企業の経営状況や社風、福利厚生などが、働きやすさやキャリアの展開に大きく影響を与えるからです。例えば、成長性のある企業であれば、自身のスキルを活かす機会が多く、キャリアアップの可能性も広がります。また、社風や福利厚生が自身の価値観に合っている企業であれば、長期的に働き続けることが可能です。転換先の企業選びを慎重におこなうことで、無期雇用転換後の働きやすさやキャリアの展開をより良いものにすることができます。

無期雇用派遣の選び方について、下記記事にて詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。

無期雇用転換の注意点と勘違い

無期雇用転換を考える際には、一般的な勘違いと注意点を理解することが重要です。以下では、無期雇用転換に関する一般的な勘違いと、無期雇用転換を検討する際の注意点について詳しく説明します。

無期雇用転換に関する一般的な勘違い

無期雇用転換については、一部の派遣社員の間で誤解が広まっています。その一つが、無期雇用転換が自動的に待遇改善をもたらすという考え方です。無期雇用転換後の待遇は、派遣先の企業や派遣会社の規定によるため、必ずしも時給が上がるとは限りません。一部の企業では、無期雇用転換後も時給が変わらないケースも存在します。ただ、無期雇用となることで福利厚生が充実するなど、時給以外の面での待遇が変化することもありますので、無期雇用転換により、どのような変化があるのかを把握することが大切です。

無期雇用転換を検討する際の注意点

無期雇用転換を検討する際には、いくつかの注意点があります。まずは、転換後の待遇について事前に確認することです。無期雇用転換後の時給や待遇は、派遣先の企業や派遣会社の規定によるため、転換前に詳細を確認することが重要です。また、無期雇用転換には一定の条件が必要であることも理解しておくべきです。例えば、派遣先の企業が無期雇用転換を認めているか、また、派遣期間が一定期間を超えているかなど、転換には一定の条件が必要となります。これらの注意点を理解し、無期雇用転換を検討することで、より良い労働環境を得ることが可能となります。

無期雇用転換と正社員への転職の比較

無期雇用転換と正社員への転職は、どちらも働き方を安定させる選択肢ですが、その違いやメリット・デメリットを理解することが重要です。以下の項目で詳しく説明します。

  • 無期雇用転換と正社員への転職の違い
  • 無期雇用転換と正社員への転職のメリット・デメリット比較
  • 正社員への転職を検討する際のポイント

無期雇用転換と正社員への転職の違い

無期雇用転換は、派遣社員が一定期間同じ使用者(企業)のもとで働いた後、その企業と期間の定めのない労働契約を結ぶ形で働き続けることを指します。一方、正社員への転職は、新たな会社に入社し、その会社の一員として働くことを意味します。

無期雇用派遣と正社員の違いについて、下記記事にて詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。

無期雇用転換と正社員への転職のメリット・デメリット比較

無期雇用転換のメリットは、すでに慣れ親しんだ職場で働き続けられることや、派遣社員と比べて雇用の安定性が増すことです。一方、デメリットとしては、時給が変動する可能性や、派遣先が無期雇用を提供しない場合があることが挙げられます。正社員への転職のメリットは、待遇や福利厚生が充実していることが多い点ですが、デメリットとしては、転職活動に時間と労力がかかることや、新たな職場環境に馴染むまでのストレスがあることが考えられます。

正社員への転職を検討する際のポイント

正社員への転職を検討する際には、自身のスキルや経験が新たな職場で活かせるか、また、その会社のビジョンや文化に合致しているかを考えることが重要です。また、待遇や福利厚生、働き方の柔軟性など、自身のライフスタイルに合った職場かどうかも見極めるべきです。転職は大きな決断ですので、じっくりと時間をかけて検討しましょう。

まとめ:派遣から無期雇用への転換を検討しよう

派遣社員から無期雇用への転換は、雇用の安定性を求める方にとって有効な選択肢となります。しかし、その際の時給や待遇、転換のメリット・デメリットなどをしっかり理解した上で、自身のライフスタイルやキャリアプランに合った選択をすることが重要です。具体的な転換方法も確認し、自身の働き方を見直すきっかけにしてみてください。あなたの一歩が、より良い労働環境への道を開くことでしょう。