本記事では、産休・育休の取得方法、社会保険の給付金制度、復帰前の準備、そして復帰後の働き方や職場選びのポイントについて詳しく解説します。
派遣社員の産休・育休について、取得条件や復職までの流れを下記記事にて詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。
派遣社員の産休・育休の基礎知識
ここでは、派遣社員の産休・育休の基礎知識について、以下の順に説明します。
- 産休・育休の制度とは
- 産休・育休の取得条件
- 産休・育休の申請手続きと期間
産休・育休の制度とは
産休・育休は、出産や育児のために一時的に仕事を休むことができる制度です。これは、労働者が子育てと仕事を両立できるようにするためのもので、正社員だけでなく派遣社員も利用することが可能です。
参考：派遣先にも男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法が適用されます｜厚生労働省
産休・育休の取得条件
出産前後6週間（早産や多胎妊娠の場合は14週間）の産休は、取得時に雇用契約があれば取得が可能です。育休を取得するためには、一定の条件を満たす必要があります。その条件とは、子どもが1歳6ヶ月になるまでに労働契約があることです。これらの条件を満たす派遣社員であれば、子が1歳6ヶ月（最長2歳）になるまで育休を取得することができます。短期間の派遣社員の場合には、産休は取得できますが育休は対象外となるケースがありますので、派遣会社に確認が必要です。
育児休業をすることができる有期雇用労働者の範囲
申出の時点で、次の要件を満たす方です。
子が１歳６か月に達する日までに、労働契約（更新される場合には、更新後の契
約）の期間が満了することが明らかでないこと
※ご注意：１歳以降の育児休業の取得について
子が１歳に達する時点で、保育所に入所できない等の特別な事情がある場合は、上記の要件を満たす方は子が１歳６か月に達する日まで育児休業の期間を延長できます。
さらに、子が１歳６か月に達する時点で、保育所に入所できない等の特別な事情がある場合は、子が２歳に達する日まで育児休業を延長することができます。その場合は、申出時点において、下記の要件を満たすことが必要です。
子が２歳に達する日までに労働契約（更新される場合には、更新後の契約）の期間が満了することが明らかでないこと
育児休業や介護休業を 有期雇用労働者について｜厚生労働省
産休・育休の申請手続きと期間
産休・育休を取得するには、事前に派遣元や派遣先に申請を行う必要があります。産休の申請は、出産予定日の6週間前（早産や多胎妊娠の場合は14週間前）までに、育休の申請は希望する育休開始日の1か月前までに行うことが求められます。具体的な手続きは派遣元により異なるため、詳細は派遣元に確認してください。
産休・育休取得前にやるべきこと
ここでは、産休・育休を取得する前に行うべき準備について、以下の順に説明します。
- 派遣会社への報告と引継ぎの準備
- 産休・育休明けの働き方やビジョンの明確化
派遣会社への報告と引継ぎの準備
産休・育休を取得する前には、まず派遣会社への報告と引継ぎの準備が必要です。これは、自身の安心と職場の円滑な運営のためです。具体的には、妊娠が分かった段階で派遣会社に報告し、産休・育休の取得予定を伝えます。その後、職場での業務引継ぎの準備を進め、自身の業務を他のスタッフがスムーズに引き継げるようにします。
産休・育休明けの働き方やビジョンの明確化
また、産休・育休明けの働き方やビジョンを明確にすることも重要です。これは、自身の働き方を見直し、より良い環境で働くためです。具体的には、復帰後の働き方をイメージし、必要なら派遣会社に相談します。例えば、育児と両立させるために、時短勤務を希望する場合などです。また、自身のキャリアビジョンを明確にし、必要なスキルや資格を取得するための準備を進めることもおすすめです。
産休・育休明けの派遣でのお仕事復帰のメリット
産休・育休明けの派遣でのお仕事復帰には、以下のようなメリットがあります。
- 効率的な転職活動ができる
- 勤務日数・勤務時間・勤務地を選べる
- 未経験から始められるお仕事もある
効率的な転職活動ができる
派遣社員として働くことで、転職活動を効率的に進めることが可能です。その理由は、派遣会社があなたのスキルや経験、希望条件をもとに、適切な職場を紹介してくれるからです。例えば、子育て中の方には、家から近い職場や、子供の急な病気などに対応できる柔軟な勤務体制を持つ職場を紹介してもらえるでしょう。
勤務日数・勤務時間・勤務地を選べる
派遣社員として働くことで、自分のライフスタイルに合わせた勤務日数、勤務時間、勤務地を選ぶことができます。これは、子育てと仕事を両立させるためには大変重要な要素で、自分のペースで働くことが可能になります。例えば、子供の送り迎えに合わせて勤務時間を設定したり、子供の学校や保育園から近い職場を選んだりすることができます。
未経験から始められるお仕事もある
派遣社員として働くことで、未経験の職種に挑戦することも可能です。これは、派遣会社が未経験者でも始められるお仕事を多数持っているからです。例えば、産休・育休を経て、新たなキャリアをスタートさせたいと考えている方にとっては、大きなメリットとなります。
産休・育休明けに働きやすいお仕事
産休・育休を経て職場に復帰する人にとって、働きやすいお仕事をいくつかご紹介します。
- 一般事務・営業事務
- 経理
- 受付
一般事務・営業事務
一般事務や営業事務は、産休・育休明けにも働きやすい職種と言えます。その理由は、業務内容が一定で、予測可能なスケジュールを組むことが可能だからです。例えば、書類作成やデータ入力、電話対応などの業務は、自分のペースで進めることができ、急な残業が発生しにくい傾向にあります。また、派遣社員として働く場合、一般事務・営業事務の求人は多く、選びやすいというメリットもあります。
経理
経理もまた、産休・育休明けに働きやすい職種です。経理の業務は一定のルーチンワークが多く、予定通りに仕事を進めることができるからです。例えば、月末の決算作業や請求書の発行など、定期的に行う業務はスケジュールを立てやすく、子育てとの両立がしやすいです。また、経理のスキルはどの企業でも求められるため、転職や再就職の際に有利となります。
受付
受付も働きやすい職種と言えます。受付業務は基本的に定時で終わることが多く、残業が少ないからです。例えば、ビジネスビルやホテルのフロント業務は、開館時間や営業時間に合わせて業務が終了します。これにより、子どものお迎え時間や家事にも余裕を持って取り組むことが可能となります。
復帰する際のお仕事選びのポイント
復帰する際のお仕事選びについて、以下の順に説明します。
- 復帰後の働き方やキャリアプランについて考えておく
- 就業条件について確認しておく
- 派遣会社や就業先の企業に相談しておく
復帰後の働き方やキャリアプランについて考えておく
復帰後の働き方を明確にすることは、自分自身のワークライフバランスを保つために重要です。子育てと仕事を両立するためには、リモートワークや時短勤務など、自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことが大切です。また、キャリアプランについても考えておくことで、自分がどのようなスキルを活かし、どのような職種や業界で働きたいのかを明確にすることができます。例えば、前職の経験を活かして同じ業界で働くか、新たな分野に挑戦するかなど、自分のキャリアビジョンに合わせてお仕事を選ぶことができます。
就業条件について確認しておく
就業条件をしっかりと確認することは、自分自身の働きやすさを確保するために必要です。具体的には、勤務時間や勤務地、給与、休日、福利厚生など、自分が働く上で重視するポイントをリストアップし、それに合ったお仕事を選ぶことが大切です。例えば、子育てと両立するためには、勤務時間が短い、または自宅から近い職場を選ぶことが有効です。また、給与や福利厚生も、自分の生活を支えるためには重要な要素です。
派遣会社や就業先の企業に相談しておく
復帰後の働き方や就業条件について、自分の希望を明確に伝え、派遣会社や就業先の企業に理解してもらうことが重要です。例えば、子育てと両立するためには、時短勤務やテレワークなどの働き方を希望することを伝えると良いでしょう。また、自分のキャリアプランについても、具体的な目標や希望を伝えることで、自分に合ったお仕事を紹介してもらうことが可能になります。
まとめ:派遣社員の産休・育休と復帰についての全体像
派遣社員でも産休・育休の取得は可能で、そのためには適切な手続きが必要です。また、社会保険の給付金制度を利用することで、経済的な負担を軽減することができます。復帰前には、自身の健康状態や子育ての状況を考慮し、必要な準備を進めておくことが大切です。そして、復帰後の働き方や職場選びについては、自分自身のライフスタイルや働きやすさを最優先に考えることが重要です。
復帰前には、保育園の申し込みや、自身の体調管理などを行うことが求められます。そして、復帰後の働き方や職場選びについては、フレックスタイム制度のある職場や、在宅勤務が可能な職場を選ぶなど、自分自身の働きやすさを考えることが大切です。
