この記事では、キャリア選択に迷う求職者の方へ向けて、派遣と正社員の福利厚生の違いや具体的な内容について解説します。自分に合った働き方を見つけるための参考として、ぜひ最後までお読みください。
- 派遣と正社員の福利厚生の違いを理解する
- 派遣社員が受けられる福利厚生の具体例
- 派遣社員と正社員の福利厚生に関する法律の違い
- 受けられる福利厚生を増やすため派遣社員から正社員になる方法
- 派遣社員と正社員の中間的な働き方として「無期雇用派遣」もある
派遣と正社員の福利厚生の違いを理解する
派遣社員と正社員では、受けられる福利厚生が異なるケースがあります。以下では、福利厚生を構成する法定福利厚生・法定外福利厚生について解説しながら、あなたのキャリア選択に役立つ情報を提供します。
法定福利厚生とは
法定福利厚生とは、国の法律によって定められた福利厚生のことで、健康保険や厚生年金保険、雇用保険などが含まれます。派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいるため、派遣会社の法定福利厚生を受ける権利があります。
法定外福利厚生とは
法定外福利厚生とは、企業が自主的に提供する福利厚生で、社員食堂や保養所の利用、社内研修制度などがあります。企業独自の制度があるため、職場選びにおいては、どのような法定外福利厚生があるのかを確認することが重要です。
派遣社員と正社員の福利厚生の違い
派遣社員と正社員の福利厚生には、いくつかの基本的な違いが存在します。正社員は企業の直接雇用であり、企業が提供する福利厚生を受けることができます。これに対して派遣社員は派遣会社に雇用されるため、派遣先の企業が提供する福利厚生を直接受けることはできません。しかし、派遣会社が提供する福利厚生を受けることができます。
派遣社員が受けられる福利厚生の具体例
派遣社員にも正社員と同様に、さまざまな福利厚生が提供されています。ここでは、派遣社員が受けられる福利厚生の具体例を4つ紹介し、それぞれの特徴や条件について解説します。
年次有給休暇
派遣社員でも、勤務条件に応じて年次有給休暇を取得する権利があります。具体的には、雇用入れの日から6ヵ月以上の継続勤務とその期間の全労働日の8割以上出勤したことで、最低10日の有給休暇が付与されます。この休暇は、プライベートな時間を確保し、仕事と生活のバランスを取るために重要です。
参考：年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています｜厚生労働省
各種手当の支給
派遣社員にも、正社員と同様に通勤手当や時間外労働手当などの各種手当が支給される場合があります。ただし、支給条件や金額は派遣会社や派遣先の規定によって異なるため、契約時に確認することが大切です。
各種休暇の取得
産前産後休暇や育児休暇、介護休暇など、派遣社員も法律で定められた各種休暇を取得することができます。これにより、家庭の事情に応じた柔軟な働き方が可能になります。ただし、休暇の取得条件や期間は派遣会社によって異なるため、事前に確認が必要です。
施設利用の割引
一部の派遣会社では、提携している施設やサービスを割引価格で利用できる福利厚生を提供しています。例えば、スポーツジムの利用料金割引やレジャー施設のチケット割引などがあります。これらのサービスを活用することで、プライベートの充実にもつながります。
派遣社員と正社員の福利厚生に関する法律の違い
派遣社員と正社員では、福利厚生に関する法律が異なります。ここでは、それぞれの雇用形態における法的な福利厚生の違いについて解説します。
派遣社員の福利厚生に関する法律
派遣社員の福利厚生は、2020年4月の労働者派遣法の改正により、「同一労働同一賃金」が導入されました。そのため、法律的には派遣社員と正社員が受けられる福利厚生に差がありません。ただ、福利厚生の内容は派遣元企業にもとづくため、派遣先の正社員と同じ制度を受けられるとは限らないことを覚えておきましょう。
正社員の福利厚生に関する法律
正社員の福利厚生は、法律によって保護されています。正社員は、健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労災保険への加入が義務付けられており、これにより病気や怪我、失業時の経済的なサポートを受けることができます。また、退職金制度や福利厚生施設の利用、社員旅行など、充実した福利厚生を提供している企業も存在します。正社員として働くことで得られる福利厚生の充実度は、長期的なキャリア形成や生活の安定に大きく寄与するため、雇用形態を選ぶ際の重要な判断基準の1つとなります。
受けられる福利厚生を増やすため派遣社員から正社員になる方法
派遣社員から正社員への転身は多くの人にとって重要なキャリアアップの一歩です。ここでは、その具体的な方法を2つのポイントに分けて解説します。
紹介予定派遣を目指す
紹介予定派遣とは、派遣期間を経て派遣先の企業に正社員として雇用される可能性がある制度です。この制度を利用することで、実際に職場の環境や仕事内容を経験しながら、正社員への道を探ることができます。紹介予定派遣を狙うメリットは、派遣期間が終了するまでに企業との相性や職場の雰囲気を確認できる点にあります。また、企業側も実際の業務を通じて派遣社員のスキルや適性を評価できるため、双方にとってリスクを抑えた雇用形態と言えるでしょう。
転職活動をする
正社員を目指すもう1つの方法は、転職活動です。転職サイトの利用やキャリアコンサルタントへの相談を通じて、正社員の求人情報を収集しましょう。履歴書や職務経歴書の準備、面接対策など、転職活動には多くのステップがありますが、自分のキャリアを次のステージに進めるためには欠かせないプロセスです。転職活動を通じて、自分のスキルや経験を活かせる職場を見つけ、正社員としての新たなキャリアをスタートさせることができます。
派遣社員と正社員の中間的な働き方として「無期雇用派遣」もある
派遣社員と正社員の間には、無期雇用派遣という中間的な働き方が存在します。以下では、無期雇用派遣のメリットとデメリットについて詳しく解説し、あなたのキャリア選択に役立つ情報を提供します。
雇用の安定性
無期雇用派遣は、派遣企業による無期の雇用契約が特徴です。これにより、派遣先が変わっても雇用が継続されるため、比較的安定した雇用形態といえます。ただ、派遣先企業が変わることがあるため、職場環境や人間関係が頻繁に変わる可能性があり、一定の不安定さを感じるかもしれません。一方で、退職金制度や社会保険の完備など、福利厚生面でのメリットを期待できます。
柔軟なキャリア形成
無期雇用派遣は、さまざまな業界や職種での経験を積むことが可能です。これにより、多様なスキルや知識を身につけ、柔軟なキャリア形成を目指すことができます。また、派遣先企業での実績を積むことで、正社員登用のチャンスも広がります。
まとめ：派遣と正社員の福利厚生についてを理解し、自分に合った働き方を選択しよう
本記事では、派遣社員と正社員の福利厚生について詳しく解説しました。また、派遣社員から正社員になる方法や中間的な働き方である無期雇用派遣についても紹介しました。これらの情報を基に、自分に合った働き方を選択する一助となれば幸いです。福利厚生は働き方を選ぶ上で重要な要素の1つです。自分のライフスタイルやキャリアプランに合った雇用形態を選び、より良い働き方を実現しましょう。
