派遣から直接雇用へ移行する方法とは?メリット・デメリットも併せて解説

派遣社員として働くことに不安を感じ、「派遣先の企業に直接、雇用してもらいたい」と考えることはありませんか?

採用のマッチングを行っている弊社では、派遣先の企業と派遣社員が労働契約を直接結ぶ「直接雇用」を希望する方が多いように感じています。

そこで本記事では、直接雇用をしてもらう方法や、そのメリット・デメリットをまとめました。

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派遣先の企業に直接雇用してもらう3つの方法

派遣先の企業に直接雇用してもらう方法には、下記の3つがあります。

  1. 派遣元から派遣先に申し入れをしてもらう
  2. 派遣先に正社員として登用してもらう
  3. 「紹介予定派遣」として派遣される

それぞれの詳細を見ていきましょう。

方法1. 派遣元から派遣先に申し入れをしてもらう

そもそも、派遣の仕事には「3年ルール」という決まりがあります。

このルールは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)」で、下記のように規定されたものです。

第三十五条の三 派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

これによると、派遣社員は同じ職場で3年以上、働き続けられません。3年ごとに働く場所を変えなければならず、派遣社員の生活が不安定になる懸念があります。

そこで、労働者派遣法には、派遣社員の雇用を安定させるための下記の規定も存在します。

第三十条 派遣元事業主は、その雇用する有期雇用派遣労働者(期間を定めて雇用される派遣労働者をいう。以下同じ。)であつて派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して一年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下「特定有期雇用派遣労働者」という。)その他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるもの又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であつて雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下この項において「特定有期雇用派遣労働者等」という。)

一 派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること。


二 派遣労働者として就業させることができるように就業(その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る。)の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。

三 派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。

四 前三号に掲げるもののほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であつて雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること

2 派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して三年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者に係る前項の規定の適用については、同項中「講ずるように努めなければ」とあるのは、「講じなければ」とする

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

この規定では、派遣会社には「3年間同じ職場で働き続ける見込みの派遣社員」に対し、下記の4つのいずれかの措置を講じることが義務付けられています。

  1. 派遣先の企業に派遣社員を直接雇用するよう依頼する
  2. 継続的に派遣社員として働ける機会を確保する
  3. 期間の定めのない雇用の機会を確保する
  4. 教育訓練など、雇用の安定のために必要なものを提供する

上記によって「派遣先の企業に派遣社員を直接雇用するよう依頼する」ことは、派遣会社の義務の1つだといえます。

以上から、同一の職場で3年以上のあいだ働き続ける見込みがあり、直接雇用を希望するのであれば、派遣元に相談しましょう。

方法2. 派遣先に正社員として登用してもらう

現在、派遣先から自身の働きぶりを認めてもらえれば、正社員として登用される可能性があります。

できるだけ評価してもらうために、下記の3つを心がけましょう。

  1. 与えられた業務を確実に完了させる
  2. 職場の同僚と良好な関係を築く
  3. 現場で役立つスキルを身に着ける

ただ、いくら派遣先にアピールしても正社員として登用してもらえないケースは、残念ながらあります。

繁忙期がごく限定的であったり、人件費が限られていたりするなど、何かしらの事情がある場合です。

無理な交渉をしないためには、「派遣社員を正社員に登用した実績」を、前もって派遣元に確認しておくのがおすすめです。

なお、派遣社員から正社員に登用される方法については下記の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

方法3. 「紹介予定派遣」として派遣される

派遣先から直接雇用してもらう手段の1つとして、「紹介予定派遣」として派遣される方法もあります。

「紹介予定派遣」とは、派遣社員として働いたのちに、その企業から直接雇用されることが前提となっている派遣のことです。

基本的には、下記の流れで雇用へ進みます。

  1. 派遣社員として、企業に派遣される
  2. 実際に勤務して、企業と派遣社員の条件が一致するかチェックする
  3. 双方が問題なければ、直接雇用される

なお、最終的に直接雇用される際は、「正社員」として登用されるケースと、「契約社員」になるケースの2つがあります。

ただ、紹介予定派遣として派遣されても、必ずしも直接雇用されるとは限りません。実際に働いてみた結果、企業側から断られるパターンは考えられます。

以上を踏まえた上で、紹介予定派遣を希望する場合は派遣元に相談しましょう。

派遣先の企業に直接雇用される3つのメリット

派遣先の企業に直接雇用されるメリットは、下記のとおりです。

  1. 長期的に安定して働ける
  2. 受けられる待遇が変わる
  3. 対応できる業務の幅が広がる

では、それぞれについて詳しくお伝えします。

メリット1. 長期的に安定して働ける

直接雇用の1つ目のメリットは、「長期的に安定して働ける」ことです。前提として、派遣社員は契約期間が定められています。

そのため契約期間が終了すると、次の職場が決まるまで働かない時間がうまれるだけでなく、収入も途絶える点がリスクです。

一方、派遣先に直接雇用してもらえれば、継続的に働き続けられるだけでなく収入が途切れることもなくなり、より安心できます。

メリット2. 受けられる待遇が変わる

企業から直接雇用してもらえれば、受けられる福利厚生が充実する期待ができます。

企業によっては、派遣社員と直接雇用されている社員を比較すると、「手当」や「休暇」などが少し違うケースがあるからです。

ただし、「待遇が良い」と感じる条件は人によって異なります。そのため、どのような待遇を受けられるのか、事前によく確認しておきましょう。

メリット3. 対応できる業務の幅が広がる

直接雇用へ移行することで、今までとは違った仕事を任せてもらえる場合があります。派遣社員の業務内容は契約で定められているため、契約外の業務を派遣社員へ依頼できません。

ですが直接雇用であれば、従事する業務内容に制限がなくなり、幅広い業務に対応できるようになります。

結果として自身のスキルアップにつながるため、昇給や転職活動をする際のアピールポイントになるメリットがあります。

派遣先の企業から直接雇用される2つのデメリット

派遣先の企業から直接雇用されると、下記のようなデメリットも生じます。

  1. 働き方の自由度が変化する
  2. 労働時間が増えることがある

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

デメリット1. 働き方の自由度が変化する

1つ目のデメリットとして、働き方の自由度が変わる点が挙げられます。

派遣社員が限定的にサポートするスタッフであることに対し、社員は長期的な雇用を前提とするスタッフなので、短期間での変更を想定していないためです。

派遣社員は、勤務時間や日数などを調整することが可能です。もちろん、契約期間中の変更は難しいですが、契約期間が終われば次の派遣先は状況に合わせて選べます。

一方で、企業に直接雇用されると、勤務時間や勤務日数などの変更には社内調整が必要なので、ハードルが上がるケースが多いです。

結果として、派遣社員のような「働き方の自由度」を得にくくなります。

デメリット2. 労働時間が増えることがある

2つ目のデメリットは、労働時間が増える可能性がある点です。派遣社員の場合、派遣元の企業が勤務の状況を管理します。

残業時間や残業代の支払い状況などが確認されるので、契約が守られていない場合は派遣先に通知されます。

ですが、企業に直接雇用されると第三者の管理がなくなるため、残業時間が増えるケースがないとは言い切れません。

また、「社員は◯時間の勤務が最低条件」などルールが決まっており、労働時間が増える場合もあります。

「収入の安定」を望むなら、派遣元で無期雇用派遣になるのも一手

直接雇用を希望する理由が、雇用の安定ではなく収入の安定であるなら、「無期雇用派遣」を選ぶのも1つの選択です。

無期雇用派遣とは、派遣元の企業と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方のことを指します。つまり、派遣社員と派遣先の契約が終了しても、派遣元との契約は継続したままでいられます。

その結果、派遣契約が満了し次の派遣先が決まるまでは、給与を受け取りながら職業訓練を受けることが可能です。

なお、当社株式会社エヌエフエーでは、無期雇用派遣をサポートしています。

スキルアップを支援する研修センターとの連携から、柔軟な働き方の提案までしていますので「自分に合った働き方を探したい」という方は、お気軽にご相談ください。

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まとめ:派遣先から直接雇用を打診されたら、熟慮して判断しよう!

派遣先との直接雇用を検討する場合は、下記のメリット・デメリットがあることを理解し慎重に判断しましょう。

【メリット】

  • 長期的に安定して働ける
  • 受けられる待遇が変わる
  • 対応できる業務の幅が広がる

【デメリット】

  • 働き方の自由度が変化する
  • 労働時間が増えることがある

もし派遣社員の「働き方の自由」を失わずに安定して働きたい場合には、「無期雇用派遣」になることもおすすめです。

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