労働環境の改善やライフスタイルの変化などを理由に「正社員から派遣社員に働き方を変えたい」と考えることがあると思います。
本記事では、実際に正社員から派遣社員になる人の割合とその理由を見たうえで、働き方を変えるメリット・デメリット、判断方法などを紹介します。
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正社員から派遣社員になる人の割合とその理由
一般社団法人 日本人材派遣協会が2023年度に実施した調査によると、現在、派遣社員として働いている人のうち、過去に正社員として働いていた経験があった人の割合は84.2%です。
出典:派遣社員WEBアンケート調査|一般社団法人 日本人材派遣協会
さらに、正社員として働いた経験がある人のうち、正社員として5年以上勤めた経験を持つ人の割合は62.7%でした。
出典:派遣社員WEBアンケート調査|一般社団法人 日本人材派遣協会
この結果から、正社員としてある程度働いた人が、派遣社員へと働き方を変えるケースが多いことが見て取れます。
また、同調査で正社員を辞めた理由として上位にあがった内容は、以下のとおりです。
▼正社員を辞めた理由7選
- 職場の人間関係や組織に拘束されるため(24.8%)
- 健康上の理由(21.2%)
- 結婚したため(19.2%)
- 賃金が低いため(17.4%)
- やりたい職種や業務内容を選べないため(14.3%)
- 出産・育児に専念するため(12.6%)
- 働く時間や時間帯を選べないため(11.7%)
これらの調査結果を見ると、働き方の改善や柔軟性を求め、正社員から派遣社員になる人が多いと推察できます。
正社員から派遣社員になる5つのメリット
正社員から派遣社員に働き方を変えることで、以下の5つのメリットを得られます。
- 出勤日や出勤時間を選べる
- 勤務場所を選べる
- 業務内容を選べる
- 正社員よりも収入アップする可能性がある
- 派遣会社のサポートを受けられる
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
メリット1. 出勤日や出勤時間を選べる
1つ目のメリットは、労働時間や出勤日などを自由に選べることです。
一般的な正社員は、「1日8時間」「1週間に5日」の労働が原則なので、プライベートの時間を増やすには限度があります。
一方で派遣社員は、出勤日を選んだり短時間で勤務したりと調整が可能です。そのため、「保育園の送り迎えに間に合う」「毎週必要な通院ができる」など、ライフスタイルに合わせて仕事を選べます。
ただ、最近は「週4勤務」や「在宅勤務」が認められる正社員の求人もあります。理想の待遇・条件やワークライフバランスで働くことを叶えたいのであれば、派遣社員だけでなく正社員の求人も確認しておくのがおすすめです。
メリット2. 勤務場所を選べる
派遣社員は、出勤日数や労働時間だけでなく「勤務場所」を選べる点も魅力です。
正社員は、基本的には会社の調整によって勤務地が決まるため、地方への異動が決まれば引っ越しをする必要があります。
派遣社員は、派遣契約ごとに勤務場所が変わるので、「結婚を機に引っ越したい」「家族の送迎先の近くにしたい」という場合でも、融通が効きやすいです。
通勤がしやすいエリアに絞って派遣先を探すことも可能なので、ライフスタイルや希望に合わせて勤務場所を選べます。
メリット3. 業務内容を選べる
柔軟に業務内容を選べることも、派遣社員として働くメリットです。派遣社員は契約ごとに就業先が変わるので、転職せずに自分に合う仕事を探せます。
それに対して正社員は、入社したら退職するまで同じ会社に所属する必要があります。もちろん、異動の可能性はあるものの、希望がすぐに叶うとは限りません。
また、派遣社員は未経験を歓迎する求人も多く、やりたい仕事にチャレンジしやすい点もメリットです。
メリット4. 正社員よりも収入アップする可能性がある
派遣社員は、正社員よりも高い収入を目指せる可能性があります。株式会社リクルートの調査によると、三大都市圏の2024年12月度の平均時給は、前年同月より13円増加していると発表されています。
大幅な増加ではないものの、「業界によっては、時給が上昇傾向にある」「高時給の仕事がある」ことは事実です。
▼時給が増加した職種例
- オフィスワーク系
- クリエイティブ系
- 営業・販売・サービス系
- IT・技術系
- 製造・物流・清掃系
未経験で高時給を目指すのはハードルが高めですが、少しずつスキルを磨いていけば、高い収入を目指せる可能性があります。
メリット5. 派遣会社のサポートを受けられる
派遣会社のサポートを受けられることも、派遣社員として働く魅力です。派遣は、仕事を探すときに派遣会社のコーディネーターに相談できるので安心できます。
また、研修制度を利用して、自分に足りないスキルを補うことも可能です。万が一、派遣先でトラブルが起きた場合も、派遣会社に相談して力を貸りられるケースがあります。
正社員も、研修を受けたり上司や先輩などに相談したりできますが、基本的には勤務中も顔を合わせるメンバーが対象なので、遠慮がちになるケースは考えられます。
以上のことから、「就業場所にはいないスタッフ(派遣会社)のサポートを受けられること」は派遣社員のメリットともいえます。
正社員から派遣社員になる4つのデメリット
正社員から派遣社員になるメリットをお伝えしましがが、もちろんデメリットもあります。ここでは、以下の4つを紹介します。
- 同じ職場で働ける期間に上限がある
- 月によって収入が変動する可能性がある
- 賞与・退職金がないケースがある
- 昇給・昇格の機会が正社員より限られている
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
デメリット1. 同じ職場で働ける期間に上限がある
まず挙げられるデメリットは、同じ職場で働ける期間に上限があることです。
派遣社員は契約ごとに雇用期間が決まっているため、更新されなければ契約は終了です。さらに、同一事業所で同一の派遣社員が働ける上限は原則3年と決まっています。
そのため、スキルを磨き人間関係が良好で「今の職場で仕事を続けたい」と願っても、3年後には別の職場に変わる必要があります。
ただし、派遣には「無期雇用派遣」という働き方があり、この立場であれば、同じ職場で3年を超えて働き続けることが可能です。
なお、無期雇用派遣になるための方法は、以下の2つです。
- 無期雇用派遣の社員を募集している派遣会社に応募する
- 有期雇用派遣として働いた後に派遣元へ申し入れる
詳細は、下記の記事でお伝えしていますので併せて参考にしてください。
デメリット2. 月によって収入が変動する可能性がある
派遣社員の収入は、「時給制」で決まることが主流です。このため、月の出勤時間によって収入が変わる点はデメリットだといえます。
もし感染症にかかり出勤が難しくなれば、欠勤したぶんほかの月よりも給料が減ってしまいます。
一方で、正社員は一般的に「月給制」なので、月々の給料が出勤日数に左右されることはありません。そのため、病気や私用で休みたいときに安心して欠勤できます。
以上のように、「収入の安定性」の面では、派遣社員より正社員のほうが有利と考えられます。
デメリット3. 賞与・退職金がないケースがある
賞与や退職金がない傾向にある点も、派遣社員の短所といえます。賞与や退職金がないとまとまった収入が期待できず、人によってはモチベーションに影響すると考えられます。
ただし、正社員でも賞与・退職金がない企業はあります。例えば、外資系の会社では「年俸制」が取られ、定められた年俸を12分割して毎月支給されるケースがあるためです。
このため、派遣社員として働くのであれば、毎月の生活費だけでなく、年間いくら必要なのか考えておくのが大切です。
デメリット4. 昇給・昇格の機会が正社員より限られている
正社員の場合は、毎年「昇給」があったり、定期的に「昇格試験」が実施されることが多いです。これに対して、派遣社員は昇給や昇格の機会が不定期で、正社員に比べると限られます。
ただ、「スキルを磨く」「新しい仕事を探すときに、より高時給の仕事を探す」と自身でキャリアアップの計画を立てておけば、デメリットをカバーできる可能性があります。
正社員?派遣社員?迷ったときに判断する方法
今のまま正社員を続けるべきか、思い切って派遣社員に働き方を変えるべきか悩んだときは、以下のように検討することをおすすめします。
- 毎月の生活費を把握する
- 希望する働き方を明確にする
- 両者を実現できる勤務形態を選ぶ
では、それぞれ解説します。
ステップ1. 毎月の生活費を把握する
まずは、毎月の生活費を計算しましょう。当たり前ではありますが、生活に必要な収入が得られなければ日常に支障が出てしまいます。
できるだけ正確に把握するため、下記のような項目ごとに細かく書き出してみてください。
- 家賃
- 水道・光熱費
- 食費
- 通信費
- 日用品の購入費
- 交際費
- 趣味の出費
ポイントは、レシートや引き落としの履歴をもとに、実際に使った金額を書き出すことです。最初から理想の生活費を書き出すと実現が難しくなる可能性があるため、まずは現状を正確に把握するようにしましょう。
ステップ2. 希望する働き方を明確にする
次は、希望するワークライフバランスを明確にするため、1週間に働ける時間帯・曜日やプライベートで確保したい時間を書き出します。この作業によって、自分が希望しているワークライフバランスが明確になります。
「週に何日休みが欲しいか」「仕事のある日は、どのようなスケジュールが理想か」など、できるだけ具体的に書き出しましょう。
ステップ3. 両者を実現できる勤務形態を選ぶ
最後に、「毎月の生活費」と「希望する働き方」が明確になったら、現在の職場で実現できないか考えてみてください。会社の制度として、「週4日勤務」「1日6時間労働」「在宅勤務」などが可能であれば、転職をせず理想の働き方が叶う可能性があります。
一方で、今の職場では理想が叶わないようであれば、派遣社員になることを考えはじめましょう。ただ、すぐに退職するのではなく、まずは派遣会社のコーディネーターに相談することをおすすめします。
コーディネーターはたくさんの派遣社員をサポートしているので、理想の働き方を実現できる求人があるかどうかを検討してくれます。
派遣に登録してから就業までの流れは、下記の記事でお伝えしていますので、こちらも併せてご覧ください。
まとめ:正社員か派遣社員かの判断は慎重に考えよう
本記事では、正社員から派遣社員になることを検討している方へ向けて、働き方を変えるメリット・デメリットや判断方法などをお伝えしました。
派遣社員の最大のメリットは、「働き方の自由度が高い」ことです。仕事よりもプライベートの時間を優先させたい方は、派遣社員になることも選択肢の1つです。
ただし、人によっておかれている状況が違うため、ベストといえる働き方は人それぞれです。このため、正社員から派遣社員になるかどうかはできるだけ慎重に判断してみましょう。
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