企業のなかには、月給制だけでなく日給制を採用しているケースも存在します。この記事では、正社員における日給制の可能性、メリット・デメリット、そして関連する法律や注意点などについて詳しく解説します。正社員における日給制について理解を深め、自分に合った働き方を見つけましょう。
日給月給制とは?
まず、日給制の基本的な仕組みについて確認しましょう。日給制とは、働いた日数に対して給与が支払われる給与体系です。1日あたりの給与額(日給)が定められており、出勤日数に応じて月給が変動します。例えば、日給1万円で月に20日出勤した場合、その月の給与は20万円となります。日給制は、アルバイトやパートタイム労働者に多く見られる給与体系ですが、正社員でも採用されることがあります。ただし、正社員として日給制で働く場合は、月給制とは異なる点に注意が必要です。
その他の給与体系との違いとは?
給与体系は、日給制以外にもさまざまな種類があります。ここでは、代表的な給与体系である月給制と日給月給制について解説します。
月給制
月給制とは、一定の月給額が定められている給与体系です。出勤日数にかかわらず、決まった賃金が支給されます。例えば、日給1万円で月に20日出勤した場合、月給は20万円です。そのため、収入が安定しやすいというメリットがあります。
日給月給制は、月給制に比べて、欠勤に対する意識が高まるというメリットがあります。一方、体調不良などでやむを得ず欠勤した場合でも、給与が減額されてしまうというデメリットがあります。
日給月給制
日給月給制とは、月給制を基本としつつ、欠勤した日数に応じて給与が減額される給与体系です。月給制の安定性と日給制の柔軟性を兼ね備えた給与体系といえます。例えば、月給20万円で1日欠勤した場合、その分の給与が減額されます。ただ、日給月給制の場合、有給休暇を取得しても給与は減額されません。
日給制と月給制のメリット・デメリット
日給制と月給制は、給与の計算方法が異なります。日給制は働いた日数に応じて給与が変動するのに対し、月給制は1ヵ月あたりの給与額が固定されています。
それぞれの給与体系には、メリットとデメリットがあります。以下に、日給制と月給制のメリット・デメリットを比較してみましょう。
日給制のメリット
出勤日数が多いほど給与が増えるため、頑張り次第で収入アップを目指せます。また、シフト制の勤務体系と相性が良く、自分の都合に合わせて働くことができます。さらに、残業時間に応じて残業代が支払われるため、サービス残業が発生しにくいです。
日給制のデメリット
欠勤や休業が多いと、給与が大きく減ってしまう可能性があります。給与が変動するため、社会保険料の計算が複雑になる場合があります。企業によっては、ボーナスや退職金が支給されない場合があります。
月給制のメリット
毎月決まった給与が支払われるため、生活設計が立てやすいです。給与が固定されているため、社会保険料の計算が容易です。多くの企業で、ボーナスや退職金が支給されます。
月給制のデメリット
固定残業代制度を採用している企業では、残業時間に関わらず一定額の残業代しか支払われない場合があります。個人の成果が給与に反映されにくいため、モチベーションを維持するのが難しい場合があります。欠勤した場合、日給制に比べて減額される金額が大きい場合があります。例えば、営業職の場合、月給制であれば、天候や顧客の都合で外出が難しい日があっても、給与は保証されます。一方、日給制であれば、そうした日に休むと収入が減ってしまいます。
正社員で日給制を選ぶ際の注意点
正社員で日給制を選ぶ際には、以下の点に注意が必要です。
- 雇用契約書の内容を確認する:日給額、労働時間、休日、その他労働条件が明確に記載されているか確認する
- 社会保険や福利厚生について確認する:健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保険に加入できるか、また、住宅手当や交通費などの福利厚生が充実しているか確認する
- 企業の安定性を確認する:経営状況が安定している企業を選ぶ
正社員の日給制求人を探す際には、求人サイトを活用することで、自分に合った条件の求人を見つけやすくなります。また、企業の口コミサイトなどを参考に、実際に働いている人の声を聞くことも重要です。企業の雰囲気や労働環境について、よりリアルな情報を得ることができます。
正社員の日給制に関するよくあるQ&A
ここでは、正社員の日給制に関するよくある質問にお答えします。
Q1.日給制でも有給休暇は取得できますか?
はい、日給制でも有給休暇は取得できます。労働基準法では、有給休暇の取得は労働者の権利として保障されています。
(年次有給休暇)
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
Q2.日給制でも残業代は支払われますか?
日給制でも残業代は支払われます。労働基準法では、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の支払いが義務付けられています。
Q3.日給制でもボーナスや退職金は支給されますか?
ボーナスや退職金の支給は、企業の規定によって異なります。雇用契約書や就業規則を確認しましょう。
まとめ:自分に合った給与体系を選ぼう
正社員で日給制は、法的に可能であり、特定の職種や働き方と相性が良い給与体系です。日給制を選ぶ際には、メリット・デメリットを理解したうえで、自分のライフスタイルやキャリアプランに合った働き方を選びましょう。給与体系は、働く人の生活設計に影響します。この記事が、自分に合った働き方を見つけるための一助となれば幸いです。