【正社員一年目】有給はいつから取れる？日数やスムーズに取得する方法も紹介

「正社員として働き始めたけど、有給休暇っていつから何日もらえるの？」「一年目の有給って取りにくいイメージがあるけど、どうすれば良いんだろう？」このように考えることがありませんか？

初めて正社員として働く一年目は、期待と不安が入り混じる時期です。特に、有給休暇については、制度や権利について詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。この記事では、正社員一年目の有給休暇について、付与条件や日数、取得方法などを詳しく解説します。取得する際のマナーも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

一年目の社員が知っておくべき有給休暇の基本

有給休暇は、労働基準法で定められた労働者の権利です。一年目の社員であっても、一定の条件を満たせば有給休暇を取得できます。まずは、有給休暇の基本的な仕組みについて理解しておきましょう。

有給休暇とは？

有給休暇とは、労働者が賃金を受けながら取得できる休暇のことです。正式には「年次有給休暇」と呼ばれ、労働基準法第三十九条に定められています。

（年次有給休暇）
第三十九条　使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。　

引用：労働基準法｜e-Govポータル

つまり、正社員として入社して半年後には、一定の日数の有給休暇が付与されるということです。この休暇を利用して、リフレッシュしたり、私用を済ませたりできます。

有給休暇が付与される条件

有給休暇が付与されるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

1. 入社日から起算して6ヵ月以上継続して勤務していること
2. 全労働日の8割以上出勤していること

ここで注意すべきは「全労働日」の考え方です。全労働日とは、就業規則や雇用契約で定められた労働義務のある日のことを指します。例えば、週休2日制で年間休日が120日の場合、全労働日は365日-120日=245日となります。この場合、245日の8割、つまり196日以上出勤していれば、出勤率の条件を満たすことになります。

参考：年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています｜厚生労働省

一年目の有給休暇は何日もらえる？

一年目の正社員に付与される有給休暇の日数は、原則として10日です。これは、上記の付与条件を満たした場合に、最低限保証される日数です。ただし、所定労働時間が短いパートタイム労働者やアルバイトの場合は、勤務日数に応じて付与される日数が異なります。例えば、週4日勤務の場合、付与される有給休暇は7日となります。

▼週の所定労働時間が30時間以上、週の所定労働日数が5日以上の場合（一般的な正社員）

このように、勤続勤務年数が増えるにつれて、付与される有給休暇の日数も増えていきます。

一年目の社員がスムーズに有給休暇を取得する方法

有給休暇は労働者の権利ですが、一年目の社員にとっては、「本当に休んでいいの？」「どう申請すればいいの？」と不安に感じることがあると思います。ここでは、有給休暇をスムーズに取得するための具体的なステップを解説します。

有給休暇の申請方法

有給休暇の申請方法は、会社によって異なります。一般的には、所定の申請書に必要事項を記入し、上司に提出するという流れになります。

申請書に記入する項目例としては、以下があります。

• 申請日
• 所属部署
• 氏名
• 取得希望日
• 取得日数
• 理由（任意）

有給休暇を取得する際のマナー

有給休暇は労働者として得られる権利ですが、周囲への配慮も大切です。特に一年目の社員は、以下の点に注意して、円滑な有給取得を目指しましょう。

• 遅くとも1週間前、できれば2週間前には申請する
• 自分が担当している業務について「誰に」「何を」「どのように」引き継ぐのかを明確にしておく
• 周囲へ感謝の気持ちを伝える

急な申請は、業務の調整が難しく、周囲に迷惑をかける可能性があるため、できるだけ早めの申請が大切です。また、有給休暇を取得することで、自分の仕事を同僚などにサポートしてもらう場合があります。そういったときは「ありがとうございます」という感謝の気持ちを直接伝えることが大切です。

有給休暇の取得理由は正直に伝えるべき？

有給休暇の申請理由について、「正直に伝えるべきか？」と悩む方もいるかもしれません。結論としては、詳細を伝える必要はありません。原則としては、有給休暇の取得理由について、会社に報告する義務はないとされています。

ただし、上司や同僚との関係性を考慮すると、可能な範囲で伝えておくことがおすすめです。「私用のため」「所用のため」といった理由であったり、「旅行に行きたい」「趣味を楽しみたい」といった正直な理由を伝えても問題ありません。大切なのは、嘘をつかないことです。嘘がバレてしまうと、信頼を失い、今後の人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

有給休暇を取りにくいと感じた時の対処法

ここでは、有給休暇を取りにくいと感じた時の対処法をいくつか紹介します。

上司や先輩に相談する

まずは、上司や先輩に相談してみましょう。「いつ頃、何日くらい休みたい」という具体的な希望を伝え、業務の調整について相談に乗ってもらうのがおすすめです。

繁忙期を避ける

会社の繁忙期やプロジェクトの締め切り直前など、業務が立て込んでいる時期は、有給休暇を取得しにくいことがあります。できる限り、繁忙期を避けて申請するようにしましょう。

計画的に取得する

可能であれば有給休暇を取得する年間計画を立てて、早めに上司に伝えるのも有効です。計画的に取得することで、業務の調整がしやすくなり、周囲の理解も得やすくなります。

充実した有給休暇を過ごすための活用例

有給休暇は、労働者の心身のリフレッシュや、自己啓発、家族との時間などに活用できる貴重な機会です。ここでは、一年目の社員が有給休暇を有効活用するためのヒントを紹介します。

心身のリフレッシュ

• 旅行に行く：日常から離れて、新しい場所を訪れることで、気分転換をする
• 温泉に行く：温泉に浸かって、日頃の疲れを癒す
• マッサージに行く：身体のメンテナンスをして、リラックスする
• 睡眠をしっかりとる：普段、睡眠不足を感じている場合は、アラームをかけず眠りについてみる
• 趣味を楽しむ：読書、映画鑑賞、スポーツ、音楽鑑賞など、自分の好きなことに没頭する

仕事に慣れない一年目は、心身ともに疲れが溜まりやすい時期です。有給休暇を利用して、ゆっくり休んだり、好きなことをしたりすることで、心身のリフレッシュを図りましょう。

自己啓発

• セミナーや研修に参加する
• 資格取得の勉強をする
• 語学学習をする
• 読書をする

有給休暇を利用して、スキルアップや自己啓発に取り組むのもおすすめです。

家族や友人との時間

• 家族旅行にでかける
• 友人と食事に行く
• 実家に帰る
• ボランティア活動に参加する

普段、仕事で忙しくて、家族や友人との時間がなかなか取れないという場合は、有給休暇を利用して、大切な人たちとの時間を過ごしましょう。

有給休暇の使い方は人それぞれです。自分のライフスタイルや目標に合わせて、有効活用しましょう。

有給休暇に関するQ&A

ここでは、一年目の社員が有給休暇について抱えがちな疑問について、Q&A形式で解説します。

Q1. 有給休暇は、まとめて取得しないといけないの？

分割して取得することが可能です。半日単位や時間単位で取得できる会社もあります。

Q2. 有給休暇の申請をしたら、会社に拒否された。

会社は、原則として有給休暇の申請を拒否できません。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、時期を変更するよう求めることができます（時季変更権）。

参考：年次有給休暇の時季指定｜厚生労働省

Q3. 有給休暇が余ってしまった場合、どうなるの？

有給休暇の有効期限は2年間です。余った有給休暇は、翌年に繰り越すことができます。ただし、繰り越せる日数は最大付与日数までです。

参考：年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています｜厚生労働省

Q4. 退職する場合、余った有給休暇はどうなるの？

原則として、退職日までに消化することができます。消化するスケジュールについては、会社と相談してみましょう。

Q5. シフト制のアルバイトでも有給休暇はもらえる？

はい、もらえます。ただし、付与される日数や条件は、勤務時間や勤務日数によって異なります。

まとめ：有給休暇を賢く利用して、充実した社会人生活を送ろう

この記事では、正社員一年目の有給休暇について、その付与条件、日数、取得方法、そして活用方法まで、詳しく解説しました。有給休暇は、労働者の権利であり、心身のリフレッシュや自己啓発に活用できる貴重な機会です。一年目の社員だからといって遠慮する必要はありませんので、周囲への配慮を忘れずに、積極的に有給休暇を取得しましょう。