【契約社員から正社員へ】有給休暇を最大限に活かすガイド

契約社員から正社員への転換は、キャリアアップのチャンスです。一方で、雇用形態が変わることで、有給休暇の扱いはどうなるのでしょうか?この記事では、法律にもとづいた基本的なルールから、企業ごとの異なる運用まで、有給休暇に関する疑問について解説します。有給休暇の権利を正しく理解し、契約社員から正社員への転換を安心して迎えられるようになるため、有給休暇に関する知識を深めましょう。

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契約社員から正社員へ有給休暇の引き継ぎは可能?

契約社員として取得した有給休暇が、正社員になった際に引き継げるのかどうか、という疑問があると思います。法律上、契約社員から正社員への転換は、雇用契約の「継続」とみなされるため、残りの有給休暇は原則として引き継がれます。これは、雇用契約の内容が変わっただけで、労働者としての権利は継続していると考えられるためです。例えば、契約社員として2年間勤務し、11日の有給休暇が付与され、そのうち5日を消化していた場合、正社員への転換時には残り6日の有給休暇が引き継がれることになります。

有給休暇の基本

ここで、有給休暇の基本的なルールを確認しましょう。労働基準法第三十九条には、以下の内容が定められています。

(年次有給休暇)

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用:労働基準法|e-Gov 法令検索

▼週所定労働時間が30時間以上、週所定労働日数が5日以上の場合の付与日数

継続
勤務
年数
0.5年1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
付与
日数
10日11日12日14日16日18日20日

つまり、正社員、契約社員といった雇用形態に関わらず、上記の要件を満たせば、有給休暇を取得する権利があります。この点をまず理解しておきましょう。

ただし、パートタイム労働者など、所定労働時間が短い労働者については、比例付与という制度があり、付与日数が上記と異なる場合があります。詳細については、以下の厚生労働省のサイトなどで確認するようにしましょう。

参考:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています|厚生労働省

正社員に転換した後、有給休暇が新たに付与されるのはいつ?

ここで、契約社員時代の有給休暇が引き継がれる場合、正社員に転換した後に新たに有給休暇が付与されるのはいつになるのか解説します。

付与日の考え方

有給休暇の付与日は、原則として入社日(最初に会社に雇用された日)から起算されます。つまり、契約社員として入社した日が基準となります。例えば、2023年4月1日に契約社員として入社し、2024年4月1日に正社員に転換した場合、2024年4月1日には、入社日から1年経過したことになります。

有給休暇の「計画的付与制度」とは

計画的付与制度とは、会社が労使協定を結び、労働者の有給休暇のうち5日を超える部分について、計画的に取得日を指定できる制度です。例えば、夏季休暇や年末年始休暇などの長期休暇に、有給休暇を組み合わせて、より長い休暇を取得できるようにする、といった活用方法があります。

正社員に転換する際、この計画的付与制度について、あらためて説明を受ける可能性はあるので、制度の内容を理解し自分の休暇取得計画に影響がないかを確認するようにしましょう。

参考:年次有給休暇の計画的付与制度とは|厚生労働省

スムーズに有給休暇を取得するためのポイント

有給休暇は、労働者の権利ですが、スムーズに取得するためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。

事前に申請し会社のルールに従う

有給休暇を取得する際は、事前に会社に申請する必要があります。申請方法や期限は、会社の就業規則に定められているので、必ず確認しておきましょう。一般的には、書面やWebシステムで申請することが多いですが、まずは直属の上司に口頭で伝えるという会社もあります。

できるだけ繁忙期を避ける

有給休暇は、原則として労働者の希望する日に取得できますが、繁忙期など、業務に支障が出る可能性のある時期は、会社から取得時期の変更を求められることがあります。そのため、できるだけ繁忙期を避け、事前に同僚や上司と相談し、業務に支障が出ないように配慮することが大切です。

可能な範囲で取得理由を伝える

基本的には、有給休暇の取得理由を会社に伝える必要はありません。しかし、円滑なコミュニケーションのため、例えば「旅行に行きたい」「子どもの運動会に参加したい」など、簡単な理由を伝えておくと、理解を得やすくなることがあります。ただし、「私用のため」といった曖昧な理由でも、会社が有給休暇の取得を拒否することはできません。

まとめ:有給休暇の権利を理解し、キャリアアップを成功させよう

この記事では、契約社員から正社員に転換した際の有給休暇の基本的なルール、引き継ぎ、取得方法などについて解説しました。最も重要なのは、有給休暇は法律で保障された労働者の権利である点を理解することです。正社員に転換する際は、会社の就業規則を確認し、有給休暇の取り扱いについて疑問点があれば、人事担当者に積極的に質問するようにしましょう。有給休暇を有効に活用し、心身ともにリフレッシュしながら、キャリアアップを成功させてください。