近年、働き方改革や個人の価値観の変化にともない、複数の仕事を掛け持ちするダブルワークという働き方が注目されています。しかし、ダブルワークにはメリットだけでなく、デメリットも存在します。特に、「正社員」として働きながらダブルワークをするか、「パート」や「アルバイト」を掛け持ちしてダブルワークをするか、どちらが良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ダブルワークのメリット・デメリット、正社員とパートを掛け持ちする場合の比較、注意点などを詳しく解説します。自分にとって最適な働き方を見つけるためにも、ぜひ参考にしてください。
正社員としてダブルワークをするメリット
ダブルワークを検討する際、まず考えるべきは、どのような雇用形態で仕事をするかです。ここでは、正社員とパート（アルバイト）を比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
正社員としてダブルワークをする主なメリットは以下のとおりです。
安定した収入
正社員は、月給制で雇用されていることが多く、パートやアルバイトに比べて収入が安定しています。ダブルワークをする場合でも、正社員としての収入があるため、生活の基盤を安定させることができます。
福利厚生
正社員は、社会保険（健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険）や有給休暇などの福利厚生が充実しています。万が一の病気やケガ、失業などに備えることができるため、安心してダブルワークに取り組むことができます。
キャリアアップの機会
正社員として経験を積むことで、スキルアップやキャリアアップの機会を得やすくなります。本業で得た知識や経験を副業に活かしたり、副業で得た知識や経験を本業に活かしたりすることで、相乗効果が期待できます。
社会的信用
正社員は、パートやアルバイトに比べて社会的信用が高いとされています。住宅ローンやクレジットカードの審査など、さまざまな場面で有利になることがあります。
正社員としてダブルワークをするデメリット
一方で、正社員としてダブルワークをするデメリットも存在します。
時間的制約
正社員は、労働時間が長く、残業や休日出勤が発生することもあります。そのため、ダブルワークをするための時間を確保することが難しい場合があります。
体力的な負担
2つの仕事を掛け持ちするため、体力的な負担が大きくなります。十分な休息を取らないと、体調を崩してしまう可能性があり、注意が必要です。
企業規則による制限
企業によっては、副業・兼業を禁止している場合があります。ダブルワークをする場合は、事前に就業規則を確認し、許可を得なければなりません。
税金や社会保険の手続き
ダブルワークをすると、税金や社会保険の手続きが複雑になる場合があり、確定申告が必要になったり、社会保険の加入条件が変わったりするケースがあります。
パート（アルバイト）を掛け持ちしてダブルワークをするメリット
パートやアルバイトを掛け持ちしてダブルワークをするメリットは以下のとおりです。
時間の自由度が高い
パートやアルバイトは、比較的シフトの融通が利きやすく、自分の都合に合わせて働く時間を調整することができます。
複数の仕事に挑戦しやすい
正社員に比べて採用されやすく、さまざまな業界や職種を経験することができます。
スキルアップの機会
複数の仕事を経験することで、多様なスキルを身につけることができます。
人間関係の広がり
複数の職場で働くことで、多くの人と出会い人間関係を広げることができます。
パート（アルバイト）を掛け持ちしてダブルワークをするデメリット
パートやアルバイトを掛け持ちしてダブルワークをするデメリットは以下のとおりです。
収入が不安定
パートやアルバイトは、時給制で雇用されていることが多く、収入が不安定です。シフトが減ったり、体調を崩して休んだりすると、収入が大きく減ってしまうことがあります。
福利厚生の範囲が限られる
正社員に比べて、社会保険や有給休暇など、受けられる福利厚生の範囲が限られる場合があります。また正社員に比べて、キャリアアップの機会が少ない場合もあります。
税金や社会保険の手続き
複数の職場で働くため、税金や社会保険の手続きが複雑になる可能性があります。
ダブルワークで後悔しないために働き方を選ぶポイント
正社員としてダブルワークをするか、パートを掛け持ちしてダブルワークをするか、どちらが良いかは、個人の状況や価値観によって異なります。ここでは、後悔しない働き方を選ぶための重要ポイントを解説します。
自分の目的を明確にする
まず、なぜダブルワークをしたいのか、その目的を明確にしましょう。収入を増やしたいのか、スキルアップを図りたいのか、自分の好きなことに時間を使いたいのか、目的によって最適な働き方は異なります。
例えば、収入を増やすことが目的であれば、正社員として安定した収入を確保しつつ、副業で効率的に稼ぐ方法を検討するのが良いでしょう。一方、スキルアップを図ることが目的であれば、パートを掛け持ちしてさまざまな職種を経験したり、自分の興味のある分野でボランティア活動をしたりする選択もあります。
自分のスキルや経験を棚卸しする
自分のスキルや経験を棚卸しし、どのような仕事ができるのか、どのような仕事に挑戦したいのかを明確にしましょう。自分の得意なことや好きなことを活かせる仕事を選ぶことで、モチベーションを高く保ち、長く続けることができます。
勤務先の規則を確認する
正社員として働いている場合は、勤務先の就業規則を確認し、副業・兼業が許可されているか確認しましょう。許可されていない場合は、事前に許可を得る必要があります。無許可でダブルワークをすると、懲戒処分の対象となる可能性があります。また、パートやアルバイトの場合でも、掛け持ちを禁止している職場もありますので、事前に確認しておくと安心です。
税金や社会保険について理解する
ダブルワークをすると、税金や社会保険の手続きが複雑になる場合があります。確定申告が必要になったり、社会保険の加入条件が変わったりすることがあります。税理士や社会保険労務士などの専門家に相談し、適切な手続きをおこなうようにしましょう。特に、社会保険については、加入条件や手続きについて理解しておくことが重要です。
時間管理と体力管理を徹底する
ダブルワークは、時間的にも体力的にも負担が大きくなります。無理なスケジュールを組まず、十分な休息を取り、体調管理に気を配りましょう。また、ダブルワークをすることで、本業に支障をきたさないように注意することも大切です。本業がおろそかになると、昇進や昇給に影響が出たり、解雇されたりする可能性があります。
知っておくべきダブルワークの注意点とリスク
ダブルワークは、収入を増やしたり、スキルアップを図ったりするうえで有効な手段ですが、注意点やリスクも存在します。ここでは、ダブルワークをするうえで知っておくべき注意点とリスクを解説します。
情報漏洩のリスク
ダブルワークをする場合、情報漏洩のリスクに注意する必要があります。特に、競合他社で働いたり、顧客情報を持ち出したりすると、法的な責任を問われる可能性があります。勤務先の機密情報を守ることはもちろん、個人的な情報についても、SNSなどで不用意に公開しないように注意しましょう。
労働時間管理の重要性
ダブルワークをする場合、労働時間管理が重要です。労働基準法では、1日の労働時間の上限が8時間と定められています。ダブルワークをすることで、この上限を超える場合は、労働基準法違反となる可能性があります。
確定申告の必要性
確定申告を怠ると、追徴課税や延滞税が発生する可能性があります。確定申告の時期に慌てないように、日頃から収入や経費を記録しておきましょう。
まとめ：自分に合った働き方を見つけよう
本記事では、ダブルワークのメリット・デメリット、正社員とパートを掛け持ちする場合の比較、注意点などを解説しました。ダブルワークは、多様な働き方の1つであり、個人のニーズに合わせて働き方をカスタマイズできる点が魅力です。しかし、ダブルワークにはメリットだけでなく、デメリットも存在します。正社員としてダブルワークをするか、パートを掛け持ちしてダブルワークをするか、どちらが良いかは、個人の状況や価値観によって異なります。自分に合った働き方を見つけ、充実したワークライフバランスを実現しましょう。
