派遣がつわりで休むとクビになる?妊娠中の労働権利を解説

この記事では、妊娠初期のつわりで仕事を休み、派遣切りを心配している女性へ向けて、派遣社員としての権利やクビになるリスクについて解説します。法的保護の内容や不当な扱いに適切に対処する方法など、安心して働き続けるための参考として、ぜひ最後までお読みください。

  1. 派遣社員とつわり:法的に守られているあなたの権利
  2. 派遣社員が妊娠中に知っておくべき契約の基礎知識
  3. 派遣社員の妊娠中の権利とは?
  4. 派遣社員のための出産・育児支援制度

派遣社員とつわり:法的に守られているあなたの権利

妊娠初期におけるつわりは、多くの女性が経験する自然な症状です。派遣社員であっても、この時期には特別な配慮が必要とされ、法律によってあなたの権利は守られています。以下では、つわりによる休暇の取り扱いや、派遣契約における妊娠に関する権利について詳しく解説します。

つわりで休むことは法律で守られていますか?

妊娠初期のつわりによる体調不良は、仕事を休む正当な理由として法律で認められています。具体的には、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法において、妊娠・出産に関する保護規定が設けられており、これにより妊娠中の女性は必要に応じて休暇を取得することができます。また、健康管理のための通院や休養を理由にした休暇も、正当な権利として認められているのです。

参考:職場でつらい思いしていませんか?|厚生労働省 

妊娠初期の休暇権利:派遣社員の場合

派遣社員であっても、正社員と同様に保護されており、つわりなどで体調が優れないときには、休暇を取得することが可能です。ただし、派遣会社との契約内容や就業規則を確認し、適切な手続きを踏むことが重要です。

派遣契約と妊娠:クビになる可能性は?

派遣社員が妊娠により休んだからといって、すぐに解雇されることは法律で禁止されています。不当な理由での解雇は無効とされるため、安心して休暇を取得することができます。しかし、契約期間の終了や業務量の減少など、他の合法的な理由で契約が終了することは可能性としてあり得ます。

派遣社員が妊娠中に知っておくべき契約の基礎知識

派遣社員として働くなかで妊娠が判明した場合、契約の基礎知識を理解しておくことは重要です。ここでは、妊娠を報告するタイミングや方法、契約更新時の注意点について詳しく解説します。

派遣契約と妊娠の報告:いつ、どう伝える?

妊娠がわかったら、できるだけ早めに派遣元に報告することが望ましいです。報告のタイミングは、つわりなどの体調変化が仕事に影響をおよぼす前が理想的です。これにより、後々のトラブルを避けることができます。また、派遣先の企業にも、派遣元を通じて正式に報告することが大切です。

ただ、妊娠初期は報告をためらうことがあると思います。そのため、まずは体調を第一に考え、「体調がすぐれない日が続いてつらい」「医師に安静をすすめられた」などの状況を見ながら、無理をしすぎない範囲で報告時期を検討しましょう。

派遣社員の妊娠と契約更新:どうなるの?

基本的には、派遣社員の契約更新時に妊娠が影響することはありません。妊娠や出産を理由に契約を更新しないことは、ハラスメントとされます。しかし、契約更新は派遣元と派遣先の合意が必要です。そのため、万が一更新されなかった場合に備え、法的な知識を身につけておくことで、自身の権利を守ることができます。

不当な扱いを受けたときの対処法

契約終了の通告を受けた場合、まずはその理由を明確に確認しましょう。妊娠やつわりが理由であれば、それは「マタニティハラスメント(マタハラ)」にあたる可能性があります。契約書や就業規則を再確認し、自分の権利を理解することが重要です。また、会社とのコミュニケーションを記録に残し、必要に応じて都道府県労働局に相談する方法もあります。

ただ、派遣会社と派遣社員のコミュニケーション不足が一因で、すれ違いが発生するケースはあります。そのため、派遣会社と話し合いの場を持つことで納得できるケースがあることも知っておきましょう。

派遣社員の妊娠中の権利とは?

妊娠は女性にとって大切なライフイベントですが、仕事との両立には不安がつきものです。特に派遣社員の場合、妊娠による休業や権利がどのように保護されるのか、具体的な情報が必要です。以下では、派遣社員が妊娠中に知っておくべき保護措置と産休・育休制度について解説します。

妊娠中の派遣社員が受けられる保護措置

妊娠初期のつわりで仕事を休むことは、多くの女性にとって避けられない状況です。派遣社員であっても、妊娠による解雇は法律で制限されており、万が一解雇された場合は不当解雇として法的措置を取ることが可能です。

また、妊娠中の健康管理のために必要な休暇を取得することも認められており、この期間の給与保障については派遣元企業との契約内容によって異なります。つわりでの休暇による解雇は許されないため、安心して必要な休養を取ることが大切です。

産休・育休制度:派遣社員も利用できる?

派遣社員でも正社員と同様に、産休・育休制度を利用する権利があります。産前産後休業は出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から始まり、出産後は8週間の休業が認められています。

参考:産前・産後休業を取るときは|一般財団法人女性労働協会

育児休業は、子どもが1歳になるまで取得可能で、これにより仕事を一時的に離れても職を失うことなく育児に専念できます。ただし、契約更新のタイミングなどに注意が必要です。

参考:働くママの育児について|一般財団法人女性労働協会

産休・育休を取得するためには、事前に派遣元企業に申し出ることが重要であり、計画的に休業をおこなうことで、安心して出産・育児に臨むことができます。

派遣社員のための出産・育児支援制度

妊娠や出産は女性にとって大きなライフイベントです。派遣社員であっても、国の制度を利用することで、出産や育児をサポートする支援を受けることができます。以下では、派遣社員が利用できる出産手当金と育児休業給付について詳しく解説します。

出産手当金とは?

出産手当金は、出産により仕事を休む必要がある女性が、経済的な負担を軽減するために受け取れる支援金です。派遣社員であっても、健康保険に加入している場合は、原則としてこの手当金の対象となります。

参考:出産手当金について|全国健康保険協会

育児休業給付とは?

育児休業給付金とは、子どもが1歳になるまでの間、育児のために仕事を休む親に支給される給付金です。派遣社員でも、雇用保険に加入している期間が一定期間以上ある場合、この給付金を受け取ることができます。

育児休業を取得するには、事前に派遣元の会社に申し出る必要があります。また、育児休業給付金の支給額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)」となります。育児休業を取得することで、子育てと仕事の両立を目指すことが可能です。

参考:育児休業給付の内容と支給申請手続|厚生労働省

これらの制度を理解し、自身の権利をしっかりと把握することで、つわりなどで休んだ際の不安を解消し、不当な扱いに適切に対処することができます。また、派遣会社や社会保険労務士などに相談することも有効な手段です。

まとめ:知識を得て安心して妊娠期間を過ごそう

妊娠初期のつわりによる休暇は法律で守られており、派遣社員であっても妊娠に関する権利が保障されています。この記事では、派遣社員として知っておくべき契約の基礎知識や、出産・育児支援制度について解説しました。

不安を感じたら、派遣会社や専門家への相談も忘れずに。あなたの権利を理解し、適切に行動することで、安心して妊娠期間を過ごしましょう。