正社員の試用期間は6ヶ月でも問題ない?注意点や解雇の可能性も解説

試用期間とは、企業が新たに採用した従業員の能力や適性を評価するために設ける期間のことです。この期間は、企業が従業員のスキル、勤務態度、企業文化への適応度などを判断し、本採用するかどうかを決定するために設けられます。一方で、従業員にとっても、企業の雰囲気や業務内容を実際に体験し、自分に合った職場かどうかを見極めるための期間となります。

本記事では、6ヶ月の試用期間が設ける企業側の意図や働く側の注意点を紹介します。試用期間を有効活用し、納得のいくキャリアを築くためにもぜひ参考にしてください。

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なぜ6ヶ月の試用期間が設けられるのか?その理由と背景

試用期間の長さは、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度が一般的です。試用期間は、労働契約の一部として設けられるもので、正社員に限らず、契約社員やアルバイトなど、さまざまな雇用形態で設定されることがあります。ただし、試用期間の長さや条件は、企業の規模や業種、職種によって異なり、法律で明確な上限が定められているわけではありません。

6ヶ月の試用期間を設ける主な理由としては、以下の点が挙げられます。

  • 従業員のスキルや適性を確認するため:業務遂行能力だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力など、多角的な視点から評価できる
  • 従業員が会社の雰囲気を把握できるため:実際に業務を経験することで、企業の文化や風土、人間関係などを理解し、自身が適応できるか判断できる

上記に加え、有給休暇の発生時期との兼ね合いも理由としてあります。労働基準法では、6ヶ月継続して勤務した従業員には有給休暇が付与されるためです。

参考:年次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています|厚生労働省

企業が6ヶ月の試用期間を設けるメリットとデメリット

企業が試用期間を設けることには、メリットとデメリットの両面があります。

企業のメリット

1つ目は、労働者の適性を十分に把握しやすいことです。書類選考や面接だけでは判断できない、実際の業務遂行能力や人間性などを評価できます。また、ミスマッチが起きたときに解雇できる点もあります。試用期間中に従業員の能力不足や適性がないことが判明した場合、解雇することも可能です(ただし、正当な理由が必要)。また、企業側だけでなく、求職者も企業を見極める期間となるため、相互理解を深めることができます。

企業のデメリット

デメリットとして、求職者が応募を敬遠する可能性があります。試用期間が長いと、求職者が不安定な雇用状況を懸念し、応募をためらうことがあるためです。また試用期間中に企業の悪い面が見えてしまうと、労働者が退職や転職を考えることがあります。

試用期間中の雇用契約・待遇・社会保険の扱い

試用期間中も、雇用契約は正式に成立しています。そのため、労働基準法をはじめとする労働関係法令が適用され、企業は従業員に対して適切な労働条件を提供する必要があります。

待遇

試用期間中の給与や労働時間、休日などの待遇は、原則として本採用時と同等である必要があります。ただし、試用期間中は給与を減額する、または本採用時とは異なる業務を命じるという場合もあります。この場合、雇用契約書や就業規則に明記する必要があります。

社会保険

試用期間中も、健康保険、厚生年金保険、雇用保険などの社会保険に加入する必要があります。社会保険の加入条件は、労働時間や雇用期間などによって異なりますが、正社員として採用された場合は、原則として加入することになります。

試用期間中に解雇されるケースとその対応

試用期間中であっても、企業が従業員を解雇するには、正当な理由が必要です。労働契約法では、以下と規定されています。

(解雇)

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

引用:労働契約法|e-Govポータル

試用期間中の解雇が認められるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

業務遂行能力が著しく低い場合

まず挙げられるのは、指導や教育をおこなっても改善が見られない場合です。例えば、プログラマーとして採用されたものの、基本的なコーディングスキルが不足しており、業務に支障をきたす場合などがあります。

経歴詐称が発覚した場合

採用時に虚偽の経歴を申告していた場合も解雇の対象となりえます。具体的には、TOEIC900点と申告していたにも関わらず、実際には600点程度だった場合などです。

勤務態度が著しく悪い場合

無断欠勤や遅刻が多い、上司や同僚との協調性がないなど、職場秩序を乱す行為があった場合もあります。例えば、毎日遅刻を繰り返し、注意しても改善されない場合などです。

企業秩序を乱す行為があった場合

会社の備品を盗んだり、会社の機密情報を漏洩したりした場合なども解雇される可能性があります。

試用期間中に解雇されたときの対応策

もし試用期間中に解雇を言い渡された場合、まずは解雇理由証明書を請求しましょう。解雇理由証明書には、解雇の具体的な理由が記載されており、解雇の有効性を判断するうえで重要な資料となります。解雇理由に納得できない場合は、弁護士や労働基準監督署に相談することも検討してみましょう。

試用期間を6ヶ月設ける会社で働く際の注意点

試用期間が6ヶ月と設定されている会社で働く場合、以下の点に注意しましょう。

雇用契約書や就業規則をよく確認する

試用期間中の給与や労働条件、解雇条件などを事前に確認しておきましょう。特に、試用期間中の給与が本採用時と異なる場合は、その理由や金額を明確にしておくことが重要です。

積極的に業務に取り組み、自己成長を目指す

試用期間は、企業があなたの能力や適性を評価する期間です。積極的に業務に取り組み、スキルアップを目指しましょう。また、上司や同僚とのコミュニケーションを積極的におこない、良好な人間関係を築きましょう。企業文化や風土を理解し、自分自身が適応できるよう努力することも重要です。

疑問や不安があれば、遠慮せずに上司や先輩に相談する

業務内容や職場環境について、疑問や不安があれば、遠慮せずに上司や先輩に相談しましょう。問題を早期に解決することで、試用期間をスムーズに乗り越えることができます。

試用期間中の評価基準を確認する

企業によっては、試用期間中の評価基準を明確にしている場合があります。評価基準を確認し、自分がどのような点を評価されているのかを把握することで、改善点を見つけやすくなります。

試用期間が延長される可能性はある?

原則として、試用期間の延長は認められていません。しかし、例外的に、以下のような場合に限り、試用期間の延長が認められることがあります。

  • 労働者が試用期間の延長に同意している場合
  • 就業規則に試用期間の延長に関する規定がある場合
  • 延長が必要と判断できる合理的な理由がある場合

試用期間を延長する場合、企業は労働者に対して、延長の理由や期間を明確に説明する必要があります。また、労働者の同意を得ることが重要です。不合理な理由をもとに、一方的に試用期間を延長することは、法律に違反する可能性があるので十分に注意しましょう。

試用期間後の本採用拒否(本採用見送り)について

試用期間が終了した後、企業が従業員を本採用しないという判断を下すことがあります。この場合、企業は従業員に対して、本採用を見送る理由を明確に説明する必要があります。

本採用の見送りが認められるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 指導や教育を行っても改善が見られない場合
  • 採用時に虚偽の経歴を申告していた場合
  • 無断欠勤や遅刻が多い、上司や同僚との協調性がないなど、職場秩序を乱す行為があった場合

会社へ説明を求めても、「納得できる説明がされない」「不合理な理由を一方的に告げられる」などの場合は、労働基準監督署など専門家に相談することも検討しましょう。

まとめ:試用期間6ヶ月を有効に活用し、納得のいくキャリアを

試用期間は、企業と従業員がお互いを見極めるための大切な期間です。企業は、従業員の能力や適性を十分に評価し、適切な人材を育成することで、企業の成長につなげることができます。従業員は、企業の雰囲気や業務内容を実際に体験し、自分に合った職場かどうかを見極めることで、納得のいくキャリアを築くことができます。6ヶ月の試用期間は、企業にとっても従業員にとっても十分な時間期間といえます。この期間を有効に活用し、お互いにとって最良の結果となるよう、積極的にコミュニケーションを取り、努力を重ねていくことが重要です。