この記事では、正社員を目指す派遣社員の方へ向けて、履歴書に派遣経験をどう記載するかや、転職市場での価値を高める方法などについて解説します。職歴の書き方やアピールポイントなど、転職活動に役立つ情報を紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
派遣社員の経験を履歴書にどう書く?
派遣社員としての経験は、正社員への転職においてアピールポイントになります。履歴書には、その経験を適切に記載することが重要です。以下では、派遣社員の経験を履歴書にどのように書き込むべきか、具体的なポイントを解説します。
派遣社員としての「職歴」の基本的な書き方
派遣社員としての職歴を履歴書に記載する際は、「派遣元」「派遣先」の会社名や、「業務内容」「派遣期間」を明記することが大切です。職歴の部分に、派遣社員として勤務した期間と、派遣元の会社名を記入します。また、その下の行には、派遣先の会社名と具体的な職務内容を記述しましょう。派遣先との間に守秘義務があり会社名や業種などを公表できないときは、「守秘義務により記載を控えます」のように理由を記載すれば問題はありません。
「派遣期間」を明確に示す書き方
履歴書に派遣社員としての勤務期間を記載する際は、その期間が一目でわかるようにすることが肝心です。例えば、「2019年4月~2021年3月:株式会社〇〇(派遣会社の社名)に登録」のように、派遣社員であることを明記します。
▼記載例:1つの派遣元に登録し、1つの派遣先で働いた場合
年 | 月 | 職歴 |
令和2年 | 5月 | 株式会社〇〇(派遣会社の社名)に登録 |
株式会社〇〇 〇〇部にて一般事務として就業(令和◯年◯月まで) | ||
令和4年 | 9月 | 派遣期間満了につき退職 |
複数の派遣元や派遣先がある場合の履歴書の書き方
派遣社員として複数の派遣元や派遣先で働いた経験は、履歴書に適切に記載することで、多様な職務経験と柔軟性をアピールできます。以下では、その書き方について詳しく解説します。
「1つの派遣元」に登録し、複数の派遣先で働いた場合の書き方
派遣社員として1つの派遣元に登録し、複数の派遣先で働いた経験は、履歴書において1つの職歴としてまとめます。この場合、派遣元の企業名を記載し、その下に派遣された期間と派遣先の業務内容を簡潔に記述します。
▼記載例:「1つの派遣元」に登録し、複数の派遣先で働いた場合
年 | 月 | 職歴 |
令和2年 | 5月 | 株式会社〇〇(派遣会社の社名)に登録 |
株式会社〇〇 〇〇部にて一般事務として就業(令和◯年◯月まで) | ||
株式会社〇〇 〇〇部にてコールスタッフとして就業(令和◯年◯月まで) | ||
令和4年 | 9月 | 派遣期間満了につき退職 |
「複数の派遣元」に登録し、複数の派遣先で働いた場合の書き方
複数の派遣元と派遣先で働いた経験がある場合は、履歴書の職歴欄を見やすく整理することが重要です。それぞれの派遣元ごとに期間を明記し、その下に派遣された先と担当した業務内容を列挙します。
▼記載例:「複数の派遣元」に登録し、複数の派遣先で働いた場合
年 | 月 | 職歴 |
令和2年 | 5月 | 株式会社〇〇(派遣会社の社名)に登録 |
株式会社〇〇 〇〇部にて一般事務として就業 | ||
令和4年 | 9月 | 派遣期間満了につき退職 |
令和4年 | 10月 | 株式会社▲▲(派遣会社の社名)に登録 |
株式会社▲▲ ▲▲部にてコールフタッフとして就業 | ||
令和6年 | 9月 | 派遣期間満了につき退職 |
派遣社員の職歴をアピールするコツ
派遣社員として積んだ経験は、正社員への転職においてアピールポイントになります。ここでは、履歴書における派遣経験のアピールの仕方と、転職市場での価値を高める職歴の表現テクニックについて解説します。
転職先にマッチするスキルや経験を厳選する
派遣先で担当した具体的な業務内容を記載する際は、転職先が求める人材にマッチした項目に絞ることで、実務経験をアピールできます。例えば、事務職に応募するなら事務経験といった形で、スキルと応募先の業務を結びつけて記述します。
もしマッチする経歴がなくても心配はいりません。派遣社員はさまざまな職場で働くため、柔軟な対応力やコミュニケーション能力が求められます。これらの能力は、どのような職場でも即戦力となるため、履歴書の「志望動機」欄などに、「異なる業種・職種での経験を通じて、多様なチームでコミュニケーションスキルを磨きました」といった形で記載しましょう。
志望動機の作り方については以下の記事で解説していますので、こちらも参考にしてください。
転職市場で価値を高める職歴の表現テクニック
履歴書における職歴の表現は、転職市場でのあなたの印象を左右します。以下のテクニックを用いて、派遣社員としての経験をアピールしましょう。
成果や貢献を具体的な数字で示す
派遣社員としての成果や貢献は、可能な限り具体的な数字で示すことが重要です。例えば、「6ヵ月間のプロジェクトで、コスト削減に貢献し20%の予算削減を実現した」といった形で、成果を数字で表現することで、その実績を明確に伝えられます。
派遣期間の連続性や安定性をアピール
派遣社員の職歴は、「短期間での転職が多い」という印象になる可能性があります。しかし、長期にわたって同じ派遣先で働いた経験や、複数の派遣先で実績を積み重ねたことを強調することで、安定性や信頼性をアピールできます。例えば、「3年間にわたり同一企業での派遣勤務を経験し、業務の理解を深め信頼を獲得した」などと記載すると、長期的な視点での貢献を強調できます。
【参考】短期間の派遣経験は履歴書に記載すべきか?
短期間の派遣経験も、あなたのスキルや経験の幅を示す重要な要素です。履歴書には、たとえ短期間であっても、その期間に身につけたスキルや担当した業務内容を記載しましょう。ただし、あまりにも短期間で多数の派遣経験がある場合は、厳選して記載することも1つの方法です。重要なのは、どの経験が応募先にとって価値があるかを見極め、それを前向きにアピールすることです。短期間で得た特別なスキルや、特定のプロジェクトでの成果を強調することで、転職活動においてプラスの印象を与えられます。
派遣社員から正社員への転職を目指す人へのアドバイス
派遣社員としての経験は、正社員への転職においてもアピールポイントになります。以下では、履歴書の書き方や面接時の話し方など、転職活動を成功に導くための具体的な進め方を解説します。
履歴書の提出前に準備しておくべきこと
履歴書を提出する前には、派遣社員としての経験をどのように記載するかを慎重に検討する必要があります。まず、派遣先での職務内容や成果、習得したスキルを明確にしましょう。次に、それらをどのように正社員としての職務に活かせるかを考え、履歴書に具体的な事例として記載します。また、派遣期間中に取得した資格や研修を受けたこともアピールポイントになるため、忘れずに記入しましょう。
履歴書の書き方については以下の記事で解説していますので、こちらも参考にしてください。
面接で派遣経験をどう話すかのポイント
面接では、派遣社員としての経験をポジティブに話すことが重要です。派遣先でのさまざまな業務に対応した経験や、柔軟な対応力、チームワークを強調しましょう。また、派遣社員としてつちかった視点が、どのように新しい職場での貢献につながるかを具体的なエピソードを交えて説明することがポイントです。自己分析をしっかりとおこない自信を持つことで、面接官に良い印象を与えられます。
まとめ:派遣社員の経験を転職の強みに変えよう
派遣社員として積んだ経験は、正社員への転職において大きな武器になります。本記事では、履歴書における派遣経験の書き方から、職歴のアピール方法、さらには転職活動でのアドバイスまで、幅広くご紹介しました。派遣社員としてのスキルや経験を正しく、効果的に履歴書に記載することで、転職市場におけるあなたの価値を高めましょう。今回得た知識を活かし、次のステップへと踏み出す準備を始めてください。あなたの転職活動が成功に結びつくことを心から願っています。