「今のパート先でフルタイム勤務にするか、思い切って正社員を目指すか迷っている」 「時間を優先したいけれど、将来のお金も心配。結局どちらが得なの?」
働き方を考えるとき、こんな悩みに直面していませんか?特に子どもの成長や家庭の事情が変わるタイミングでは、今のままでいいのか不安になるものです。
この記事では、フルタイムパートと正社員の「生涯賃金」「年金」「働きやすさ」の違いを比較し、あなたにとって本当の「得」がどちらなのかを判断できるような情報をお伝えします。
結局どっちが得?フルタイムパートと正社員の主な違い
「得」の定義は人それぞれですが、大きく分けて「お金」と「働きやすさ」の2軸で考える必要があります。まずは両者の違いを把握しましょう。
金銭面なら正社員
結論からいうと、収入総額と老後の安心感を重視するなら、正社員の方が有利です。
その最大の理由は、正社員には「昇給」「賞与(ボーナス)」「退職金」という、給与を底上げする3つの仕組みが整っているからです。これらはパート勤務にはない、あるいは少額である傾向があり、長く働けば働くほどその差は広がります。
また、社会保険においても、正社員(および一定条件を満たす労働者)は厚生年金に加入できます。保険料の半分を会社が負担してくれるうえに、将来受け取れる年金額が国民年金のみの場合よりも大幅に増えるため、老後の生活防衛という利点があります。
働きやすさならパート
一方で、ワークライフバランスや精神的な気楽さを最優先にするなら、パート勤務の方が「得」といえます。
パート勤務の最大のメリットは、ライフスタイルに合わせて勤務時間や日数を調整しやすい点です。「子どもが熱を出したので早退したい」「夏休み期間は出勤を減らしたい」といった希望も、正社員に比べれば受け入れてもらいやすいです。また、転勤や重い責任(過度なノルマや部下の育成など)を負う可能性が低いため、仕事のプレッシャーをできるだけ家に持ち帰らずに済みます。
お金にまつわるフルタイムパートと正社員の4つの格差
ここからは、より具体的に数字や制度の違いを見ていきましょう。
ボーナス・昇給で年間100万円以上の差も
月々の手取り額が同じくらいでも、年収ベースで見ると正社員がパートを大きく上回るケースがあります。
この差を生む最大の要因は「賞与(ボーナス)」の有無です。多くの正社員には夏と冬、合わせて年間数ヵ月分のボーナスが支給されますが、フルタイムパートの場合、支給されないか、あっても寸志程度(数万円)というケースが一般的です。月給20万円でボーナスが年間4ヵ月分ある正社員と、時給制でボーナスなしのパートでは、それだけで年間80万円の差がつきます。
長く働くほど広がる圧倒的な格差
勤続年数が長くなればなるほど、正社員とパートの賃金格差は拡大し、生涯賃金では1億円近い差、あるいはそれ以上になることもあります。
正社員は多くの場合、定期昇給制度によって毎年基本給が上がっていきます。また、役職手当なども加算され、40代、50代と年齢を重ねるごとに給与カーブが上昇します。一方、パートの時給は経験を積んでも上がりにくく、昇給があったとしても数十円単位であることが多いため、収入の上限が低いまま推移します。
厚生年金への加入で将来の受給額が増える
老後の生活を支える年金についても、厚生年金に加入する正社員(および一定条件を満たす労働者)の方が有利です。
日本の公的年金は「2階建て」構造になっています。
- 1階部分:国民年金(基礎年金)
※日本国内に住むすべての人が対象 - 2階部分:厚生年金
※会社員などが対象
正社員は2階部分の厚生年金も受け取れるため、国民年金だけの自営業者や扶養内パートの人に比べて、受給額が増えます。さらに重要なのが、厚生年金の保険料は会社が半分負担してくれるという点です。自分で全額払う国民年金とは異なり、会社にお金を出してもらいながら将来の受給額を増やせる制度は、正社員の特権ともいえます。
社会保険料と税金を引いた金額
「フルタイムパートになれば稼げる」と思っても、額面金額の約75〜80%が手取りになることを理解しておく必要があります。
フルタイム勤務の場合、パートであっても年収の壁を超えて社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が必要になるケースがほとんどです。これに加え、雇用保険、所得税、住民税などが給与から天引きされます。
- 社会保険料:給与の14〜15%程度
- 税金:所得に応じた税率
「正社員だと引かれる額が多いから損」と思えるかもしれませんが、それは額面が高いから控除額も増えているだけと考えられます。福利厚生や手当、ボーナスを含めた、実質的な自由に使えるお金で比べれば、正社員の方が手元に残るお金が多いケースが大半です。
目先の控除額は気になるとことですが、最終的な手残りと保障の手厚さでも判断することが大切です。
働きやすさとリスクの違い
お金以外の雇用環境や制度面では、どのような違いがあるのでしょうか。メリット・デメリットを整理します。
無期雇用(正社員)と有期雇用(パート)のリスク
雇用の安定性においては、雇用期間の定めのない「無期雇用」である正社員が有利です。
パートや契約社員などの有期雇用は、契約期間(6ヵ月や1年など)が満了するタイミングで契約が終了する「雇い止め」のリスクが常にあります。特に不景気や会社の業績悪化時には、コスト削減の対象として非正規雇用者が対象とされやすいのが現実です。
もちろん、パートでも「無期転換ルール(通算5年を超えて契約更新された場合に無期雇用へ転換できる権利)」がありますが、無期契約になったからといって正社員と同じ待遇(給与や賞与)になるとは限りません。ただ、「契約が更新がされるかわからない」という不安がない点は正社員のメリットです。
産休・育休の取得しやすさと給付金
法律上はパートでも産休・育休を取得する権利がありますが、実態としての「取りやすさ」と「給付金額」には差があります。
まず給付金についてですが、育児休業給付金などは休業前の賃金をベースに算出されます。そのため、給与水準が高い正社員の方が、休んでいる間に受け取れる金額が多くなる期待ができます。
また、取得のしやすさという点でも正社員に分があります。パートの場合、少人数でシフトを回している職場も多く、「代わりの人を雇うことになる」という理由で休みを言い出しにくい場合があるからです。
正社員であれば、組織としてバックアップ体制が整っていることがあり、制度利用が推奨されている企業も増えています。(ただし、パートでも要件を満たせば育休は取得可能)
転勤・残業・ノルマの有無
正社員のデメリットともいえるのが、待遇が良い分、重い責任と拘束がともなう点です。
正社員は会社に対して「職務専念義務」を負います。そのため、会社の命令による転勤や配置転換、急な残業などを拒否しにくい傾向にあります。これに対してパートは、契約時に勤務地や時間、業務内容が限定されていることが多く、断る正当な理由を持ちやすいです。
また、正社員には成果に対するプレッシャー(ノルマ)が課されたり、部下や後輩の指導・育成責任が発生したりします。「責任ある仕事はストレスが溜まる」「時間内だけきっちり働いて帰りたい」という人にとっては、正社員の働き方は負担に感じるかもしれません。
住宅手当・家族手当・退職金などの有無
企業が独自に設けている「法定外福利厚生」については、正社員のみを対象としている傾向があります。具体的には以下のような手当や制度です。
- 住宅手当・家賃補助
- 家族手当・扶養手当
- 退職金制度
- 保養所の利用や資格取得支援
「同一労働同一賃金」の施行により、不合理な待遇差の解消が進められてはいますが、退職金や賞与に関しては、長期雇用の正社員へのインセンティブとして認められる傾向にあり、パートには支給されない企業がまだまだ多いのが現状です。給与明細には表れないこれら「見えない給料」の差も考慮する必要があります。
今から正社員を目指す方法
「正社員の方がいいのは分かったけど、いきなりなれるか不安」 そんな方に向けて、リスクを抑えて正社員を目指す方法を紹介します。
紹介予定派遣や「短時間正社員」から始める
いきなりフルタイム正社員への転職が怖い場合は、以下の制度を利用してみましょう。
- 紹介予定派遣:最長6ヵ月間派遣社員として働き、労働者と企業の双方が合意すれば直接雇用(正社員など)に切り替わる仕組み。実際に働いてみて雰囲気を確かめられるので、入社後のミスマッチを防げる
- 短時間正社員:フルタイムより短い労働時間で、正社員と同等の保障(社会保険、賞与算定など)を受けられる制度
参考:短時間正社員|厚生労働省
今の職場での「正社員登用制度」を利用する
リスクが低く最短ともいえるルートです。すでに業務内容や人間関係を把握している職場で、ステータスだけを「パート」から「正社員」に変えることができれば、環境変化のストレスがありません。就業規則を確認するか、信頼できる上司に「将来的に正社員になりたい意向がある」と相談してみましょう。
自分にぴったり合う働き方を選ぼう
フルタイムパートと正社員、どちらが得かは「何を人生の優先順位にするか」で決まります。しかし、金銭面や保障面だけで見れば、正社員のメリットが圧倒的に大きいのは事実です。
▼この記事のポイント
- 金銭面:生涯賃金、年金、ボーナスの有無で正社員が有利
- 働きやすさ:時間の融通や精神的な気楽さはパートが有利
- 判断基準:今の家計(手取り)を重視するならパート、将来の資産形成を重視するなら正社員
- 注意点:パートで扶養を外れるなら年収の壁を把握しておく
迷っている時間はもったいないです。まずは自分の市場価値を知ることから始めませんか? 「今のスキルで正社員になれる?」「自分に合った働き方をもっと詳しく知りたい」という方は、ぜひLINE登録をして、プロのキャリアアドバイザーに無料相談してみてください。あなたの理想の働き方を一緒に見つけましょう。

